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Aside

それが一体どういう所属の奴らかは私にとってはどうでもいい。

政治団体として名乗られた団体名は麦秋会(ばくしゅうかい)といったが、
どうせ何か問題を起こす事に解体し名前を替え、別団体の体裁を為すだけの使い捨ての名義だろう。

実際に団体登録されているかどうかも怪しいところだ。

稲嶺司令官の警護は私たちを含めて五名、対して相手は六名だ。
相手は稲嶺司令官の弔辞からこちらをマークしていたらしく、葬儀会館の駐車場まで尾けてきたが、名士ばかりが参列している会場で彼らからにじみ出る粗爆な雰囲気は、こちらが気づいて警戒できるほどにはよく浮いていた。

まさかこちらに事が起こるとは誰も予想していなかったのが正直なところだが、ベテランを揃えた防衛員たちの対応は鮮やかだった。

郁と私は車椅子の稲嶺司令官を車輛の影へ隠すように指示された。

特殊防衛員とはいえ最も経験が浅いので当然の采配である。

公用車までたどり着くと、敵は定石通り不法に手に入れたであろう銃を出して脅してきた。
迎え撃つ防衛員は図書施設外での中の携行許可を取っていないので折りたたみ式の警棒のみ。

しかし装備はそれで充分だった。
銃を出したのは2人ほどだったが動きに素人らしい動きが多く、使う暇もなく防衛員たちに銃を叩き落された。

一気呵成に打ちかかろうとした刹那、リーダーらしき男が叫んだ。

「会場を爆破するぞ!」
仲間がこっちを監視している、逆らったら会場内の数ヶ所に設置してある爆弾爆破させる。

まくし立てたその内容に防衛員たちの動きが完全に止まった。

「我々の要求は稲嶺和市の身柄だ」
応じましょう。と即答したのは稲嶺司令官自身だった。
稲嶺司令官以外の誰も答えることはできない、車椅子により添った私も郁もただ稲嶺司令官の返答を聞いているしかなかった。

個別認識する価値もない男達が稲嶺司令官と私たちに歩み寄る。
自走式の車椅子のグリップに手がかけられ、私は思わずその手を払った。

『私も同行します』

怪訝な顔をした相手へ私は言葉を重ねた

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作品ジャンル:恋愛
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オムライス(プロフ) - 田中圭くんにハマって一気に読みました!続き楽しみにしてます! (2020年9月26日 8時) (レス) id: 3df1040212 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミブー - 楽しく拝見させて頂いています!大変かとは思いますが、続きを期待しています!応援しています! (2020年6月4日 4時) (レス) id: b581b337c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きぃ太 | 作成日時:2019年9月22日 9時

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