今だけは 緑 ページ9
「先輩、これ確認お願いします。」
大抵の仕事を完璧に片付けてしまう上司のすち先輩に作業の確認をお願いする。
「うん、これなら大丈夫だと思うよ。長いあいだお疲れ様」
先輩がにこっと笑う。
その笑顔にやっと一仕事を終えたんだ、と安心感でいっぱいになる。
この仕事は私に初めて来た依頼だった。
そのため先輩含め、いろんな人に相談に乗ってもらったり、協力していただいたおかげだ。
「先輩もありがとうございました。」
「いやいや、ずっと頑張ってたし、本当にお疲れ様。」
ぺこ、と頭を下げ、後ろを向いて自分の デスクに戻る。
今日は早く帰らなきゃ行けないのだ。
ぱぱっと仕事を片付けてさっさと帰ろう。
がちゃ、と扉を開けて急いで部屋を飾りつける。
彼が帰ってるまでそんなに時間はない。
同じ職場だからある程度の帰宅時間は分かる。
申し訳ないけどお誕生日ケーキはお店のやつだ。
ご飯は交代で作るから冷蔵庫開けられちゃうし……
そんな言い訳をしながら彼の帰宅を待つこと数分、
「ただいまぁ。」
彼ののんびりした声が響く。
「お誕生日おめでとう！！」
バーンとクラッカーの音が響く。
「おわあああ！ありがとおねえ」
会社のキリッとした雰囲気はなく、にこにこと穏やかに笑う。 すると突然ぎゅううっと抱きしめられる。
「この時間が癒しだぁ……」
『すち先輩』の時と、家でいる『すちくん』の時。
『先輩』の時は会社のみんなに人気でちょっとムッと思うことはたくさんある。でも、『すちくん』の時は私のもの。
ハグできるのも、ふわっとした笑顔も、今この時は私だけ。
そんな少しの優越感に浸りながら、2人だけのこの時を満喫するのだ。
_____
本日は緑色担当すちさんのお誕生日です。
すちさん、お誕生日おめでとうございます。
これが本人に届くことは無いとは思いますが、
精一杯の気持ちを込めてのおめでとうを送らせていただきます。
急に話は変わりますが、
来週の更新はクリスマスにちなんだものにしたいので、月曜日に更新します。
すちさん 今だけは
お読みいただきありがとうございましたm(__)m
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作者名：ゆう | 作成日時：2023年11月16日 17時
