一緒に帰ろう 続き ページ8
前回のお話の続きです。
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「先輩っ!遅れましたっ!!」
先輩の教室の扉を勢いよく開けて、ぱっと頭を下げる。
こさめから、一緒に帰ろう、って誘ったのに。
なんで今日に限って先生の話は長いんだ…
が、しばらく経っても先輩から返事はない。
「………?」
そーっと顔をあげると、教科書らしきものを枕に、すやすやと眠っている先輩。
伏せられた長いまつ毛。透き通った白い肌。丁寧に手入れされている髪。
すやすやと心地良さそうな寝息。あどけなく、幼なげな表情。いつもは絶対に見ることの出来ない先輩の姿にドキッとする。
「んん〜こさめくん……」
むにゃむにゃと口を動かしてこさめの名前を呼ぶ先輩。
え?何これ…可愛いっ……!
ふと目をやると、枕になっているのは先輩の苦手教科である数学の教科書だ。さっきまで頑張って解いてたのかな?
先輩の利き手の小指側が黒くなっている。
苦手なものにでも頑張って立ち向かおうとする先輩はこさめの憧れだ。
部活も、勉強も。全力で取り組んでいる先輩は眩しかった。 でも、ちょっと頑張りすぎちゃったりするところがあって、 いつか壊れてしまいそうで少し怖かった。
先輩、最近大会近いって言って、ずーっと部活も頑張ってたし。テストと被ってたし、寝る時間削ってたりしたのかなあ。
「ふふっ、いつもお疲れ様です。先輩。」
普段は絶対させてくれないから、今のうちに撫でておこうと思い立ち、先輩を起こさないように、そーっと、そーっと頭を撫でる。
あんまり無理しすぎないでね?先輩。
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こさめさん 一緒に帰ろう
お読みいただきありがとうございましたm(__)m
次回の更新ですが、すちさんのお誕生日が月曜日にあるので、来週の更新は月曜日に行う予定です。
一緒にすちさんのお誕生日お祝いしましょう!!
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作者名:ゆう | 作成日時:2023年11月16日 17時