大切な日 桃 ページ34
ピピピッピピピッ
枕元に置いてある携帯から大音量のアラームが鳴る。
んー!!と腕を精一杯伸ばし、やっとの思いでアラームを止める。
ふう、と一息吐いてくるりと寝返りを打つ。
と、目の前に現れたのは心地よさそうに寝息を立てているらんくんだ。
いつもはキリッとしている彼のあどけない表情を覗ける瞬間は貴重で、思わず頭を撫でてしまう。
すると、んん、と身を捩りながらさらにぎゅっと私に抱きつくらんくん。
可愛い…
このままずっとみていたい、そんな考えが脳裏に過ぎる。
だめだ。今日は特別な日なんだから。
らんくんにバレないよう早起きして、ケーキ作るって決めてるんだ。
そんな決意を思い出し、彼を起こさないよう、そーっと布団から出ようと試みる。
が、ぎゅ、と強く私に抱きついている彼の腕はなかなか剥がれず、
どうにかこうにか、と身を捩る。
すると、んー?というくぐもった声が聞こえた後、ぴくぴくと彼の瞼が動く。
やばっ…らんくんおきちゃ……
「ん、おはよぉ…」
私が動いたせいか、未だとろけた目をこすりながららんくんが挨拶をする。
こっそりケーキ作戦。は無理だったか…
ケーキを考えるのは後回しにして、先ほど起きたばかりの彼に伝える。
「おはよう、らんくん。それとお誕生日おめでとう…!」
寝起きなので少しボリュームを落としめに、
おめでとうを伝える。
すると彼はふわっと花開くような笑みをこちらに向けた。
「ふふっ、起きて1番に祝われるなんて、俺、幸せ者じゃん…
ありがと」
そういったらんくんは少し頬を染めていて、
とっても可愛い。
すると一度ぐっと伸びをして、姿勢を正す彼。
その様子を見て私も慌ててピシッと座り直す。
「祝ってくれてありがとう。
君にもらった幸せな気持ち、倍以上にして返すから。
これからも一緒にいてください。」
その言葉を聞いて、私は勢い良く彼の胸に飛び込んだ。
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LANさん、お誕生日おめでとうございます!
の気持ちを込めてささやかながら投稿させていただきます。
彼にとって幸せがたくさん訪れる一年になりますように。
らんさん 大切な日
お読みいただきありがとうございましたm(__)m
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作者名:ゆう | 作成日時:2023年11月16日 17時