今日まで 続き ページ29
「すまん！遅れたっ！！」
ガラガラガラッと立て付けの悪いドアが大きな音を立てる。 はぁ、はぁ、と息を切らして飛び込んできたのは彼だった。
「い、いるまくんっ……！」
「ごめん、ちょっと待って。」
よほど急いできたのか、数秒間天を仰いで呼吸を整えている。
「ふぅ、すまん。急にミーティング入って。」
「全然大丈夫だよ。それより、なんだった……？」
私が気持ちを伝えてから、それなりの時間が経っている。
『ホワイトデー』をバレンタインのお返し、と設定して、
一ヶ月後もチョコを売れるように考えた日本の企業を恨みたくなるくらい、長い時間だった。
なんで先延ばしにするんだ。
それから学校へ行くたびに少しドキドキしていたぐらい、
何かあるかと期待したのに、結局なにもおこることはなく。今日まで引き延ばされていたのだ。
先月、手のひらに載せられたチョコレイトはなんだったのか、と言いたくなるくらい、いつも通りだった。
だからとっとと言ってほしいのだ。なんでもいいから。
すると彼はじっと私の目を見て言った。
「先月は、ありがとう。
キャンディー美味かったし、嬉しかった。」
「だから、お返しに。コレ。」
またも左手を捕えられ、ぼん、と置かれる。
今度手に載せられたのは綺麗にラッピングされた袋だった。
中身は……なんだ？見えない。
「いるまくん、開けていい？」
「っ、ああ。」
なんとか了承の返事をもらい、紐を解く。
中に入っていたのは、色とりどりのマカロンだ。
「っ！！」
すると彼はなぁ、と私に話しかけた。
「先月の、嬉しかった。もし俺の解釈が合ってるなら、」
すーっと一呼吸置き、じっと見つめる。
「好きです。 俺と付き合ってください。」
_____
更新遅れてしまい、申し訳ないです…
おはなしを書き、投稿した。と思っていたら、
最後の最後のボタンを押し忘れていました…
本当にすみません。
そして、お気づきの方いらっしゃるかもしれませんが、先月の「今日くらい」と、繋がっております。本当はもう少し上手に独立したお話感を出したかったのですが……
努力不足です。
いるまさん 今日まで
お読みいただきありがとうございましたm(__)m
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆう | 作成日時：2023年11月16日 17時
