こたつ 水 ページ17
「ただいまぁ」
寒い外での仕事を終えてきた私は家の中にいるはずの彼に声を掛ける。
「あ!おかえり〜!!」
リビングの方から大きな声が聞こえる。ドアを開けてすぐ右を見るとこたつに体半分突っ込んでるこさめくん。
「おかえりっ!こたつあったかいよ〜?おいで??」
カーペットの上にでろー、と溶けて大きく手を広げるこさめくん。
正直言ってとても可愛いし、今すぐこたつに飛び込んでしまいたい。
そんな思考を捨て、コートを椅子にかける。
「手、洗ってから行くね。」
ん、分かったぁ〜と寝返りを打ちながらそう言う彼を背に私はり ビングを離れた。
手を洗って再び、ガラッとドアを開ける。
「ん!こたつおいで!!」
今度はちゃんと座って私の入るスペースぽんぽん、と手で叩いている。
そんな彼のにこっと笑った表情はとても穏やかで可愛らしく、思わず釣られて笑ってしまう。
「お邪魔します。」
そう言いこたつに入ると突然ぎゅっと抱きしめられる。
「ふふっ、やっといちゃいちゃ出来る………」
独り言のように呟いた彼はこちらへ体を預けてくる。
『やっと』いちゃいちゃできる…確かにその通りだ。
最近は忙しくて、一緒にご飯を食べるのも難しかった。
まぁ、大きな企画の進行があったため帰るのが遅かったわけだが、やっと終わり、久々に早く帰ることが出来たのだ。
「ごめんね、こさめくん。最近ずっと遅かったし。」
そう伝えると私の肩に顔を埋めながらううん。と首を振る。
「お仕事だし、仕方ないよ。
………でもちょっとは寂しかったから甘やかして欲しいかも。」
後半に行くにつれ声が小さくなっていくこさめくん。
まぁ、しっかり聞こえているけど。
「ふふっ、分かった。
今日はもう予定ないから、1日一緒に居ようね?」
そう言うと、うん、とこちらを見上げて頷き、にぱっと笑う。
たまにはゆっくりおやすみして、彼と甘い1日を過ごすようにしよう。そう考えた私なのでした。
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こさめさん こたつ
お読みいただきありがとうございましたm(__)m
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作者名:ゆう | 作成日時:2023年11月16日 17時