約束 続き ページ16
前回のお話の続きです。
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横断歩道を渡ると向こうも私を見つけたのか、少し早足でこちらへ歩いてくる。
「お久しぶりですね。」
何を話していいか分からず、不意に敬語が出てくる。
違う、こんなこと言いたいんじゃない。
「ふはっ、なんで敬語なん？」
少し笑ってから、いつもの感じでこちらへ聞いてくる。
改めて見てみるとそんなに変わっていなくて、少し安心する。
「なんとなく。」
ぶっきらぼうに返すことしかできなくて、自分自身に嫌気がさす。もうちょっとなんかあるはずなのに。
「お嬢さん、約束通り迎えにきましたが？」
パッと顔を上げると、ニヤッと笑った顔が見える。
妙にドキッとして目を逸らすと、クックックと笑い声が耳に届く。
まさか覚えているとは思わないし、とっくに忘れられてるかと思っていたのに。そんなことを考えている間にヤツは家の方向へ歩き出しており、置いていかれないよう急いで着いていく。
「もうお前成人したし、これでやっといろんな制限無くなるな。」
「まぁ、もうお酒も呑めるしね。」
「これからは俺がお前に手出しても何のお咎めもないしなぁ。」
前を向いてボソッと呟いたコイツ。
これからは俺がお前に手出しても、何のお咎めもないもんな………？
意味を理解した途端に顔が赤くなる。
一体これは意図して呟かれたものなのか…?
混乱する頭を必死に働かせて考える。
多分気のせいだ。そう、きっと聞き間違い。
そう脳内で結論を出した矢先突然頬を掴まれ、ぐいっと前を向かされる。
そのまま前に目を向けると、鼻がくっつきそうなほどの距離にヤツの顔が見える。
ヤツはニヤッと笑うと私の顔を横に向けさせて___
チュッ
そんなリップ音が自分の耳に残る。
頬には温かい感触が残っていて、ただでさえ回っていない頭が更に速度を落とす。
「っ、え？？」
間抜けな声があたりに響く。
「これから楽しみにしとけよ〜」
そう笑うとヤツは再び歩き出した。
な、何が起きたんだ……………?
_____
いるまさん 約束
お読みいただきありがとうございましたm(__)m
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作者名：ゆう | 作成日時：2023年11月16日 17時
