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_Un ページ2

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『アリス… お前には、父さんの血が流れておる… きっと、偉大な演奏家に成る筈だ……』

 病室のベッドで横わる者。

『じーちゃん…』

 癖っ毛の少年に其の母親。

『わしの願いを聞いてくれ…』

 そして、医師。

『じーちゃん !! 』





「アリスト…アリー… おーい……起きろー」

「ふえ?」

 少年が目を覚ますと、目の前には赤毛の少女が。

「ふえーじゃない、もう終点なんだけど」

「あ、ごめーん」

 ガタガタと列車から降りる準備を始める少年、アリスティド・ラング。そんなラングをジト目で見つめ乍待つのはクロエ・スピラ。彼等は今日、定員100人の狭き門を潜り近隣諸国の音楽エリートが集まる音楽学校・モンドンヴィル学園へ入学する為に田舎から出てきたのだ。
 列車を降りると、スピラは地図を確認し始める。ラングは伸びをしリラックス状態だ。

「やっと着ーい……た───……」

『都会にはコワイ人が沢山居るから気を付けるのよっ !! 』

 そして母の言葉を思い出し項垂れた。そんなラングを見て不思議に思ったスピラは問い掛ける。

「何?」

「否…… 母さんが…」

「嗚呼、あれね。大丈夫大丈夫、私が悪い輩なんて殴り飛ばしてあげるから」

「大丈夫かよ…」

 真顔でそう答えるスピラを不安そうに見るラングであった。

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作者名:がれっと | 作成日時:2018年10月15日 10時

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