第34話 『エルゴノミック その� � ページ35
承太郎に連れられるままに到着したのは、つい最近持ち主が亡くなって空き家状態になった倉庫だった
「本当にここにAくんがいるのよね？」
「あぁ……手紙によれば、だがな」
そう言って扉を押せばギィィと鉄と鉄がこすれあうような耳障りな音が辺りに響いた
みんなで顔を見合わせ、中に入る
中は何もないのかと思えば、なぜか扉が並んでいた
「部屋……？倉庫の中に部屋があるのか？」
「……空条くん、どうするの？」
ぱらり、と手紙を見るが何も書いてねえ、とだけ言った
「なら、僕が調べてみよう」
花京院が少し離れたところに移動して扉に触れたり歩き回ったりしていたが、あれで本当にAのいる場所がわかるのか？
その時
「…………ん？」
俺のギリギリ死角に入らないところに何かが映った
それは緑色のようななにか……紐状のものが辺りを這い回っている
「おい、莉緒」
コソッと承太郎と花京院に見つからないように莉緒に耳打つ
「なに？」
「あれ、見えるか？あの緑色の紐みてえなの」
莉緒は俺が指差した方をじっと見つめたがしばらくして首を振った
「何もないよ、疲れてるんじゃあないの？」
「…………そうかもな」
その時、花京院の『見つけた』と言う声が聞こえて来た
そっちに行けばこの倉庫の中でも特別重そうな扉の前に花京院が立っていた
俺と莉緒は頷くと扉に手をかける……が、しかし、びくともしない
押しても引いても1mmたりとも動かなかった
「ぐ……！んんっ……！！ーーーッ無理！！びくともしない！」
二人係でも開かない扉とはこれいかに
「どけ」
その時、後ろから相も変わらず不機嫌そうな声がし、思わず場所を譲る
「……って、なにやってるの空条くん？！」
承太郎は扉の横、石造りの壁に向かって拳を握っている。殴り壊す気か？！
「下がってろよ」
莉緒の言葉には反応せずに、俺たち全員に言った。正直、いくら承太郎が強いからといって石が砕けるとは思えない。
「おい、承太郎…さすがに石は無理ーーーー」
ぐしゃッという本来石からはしないような音がして思わずそちらを見る
そこには、砕けた壁と涼しい顔でたたずむ承太郎と花京院
俺はこの時誓った。
何があってもこの二人には逆らわないようにしようと。
壁の奥ではAとかわいい女子が無駄に近い距離にいたが、俺は恐怖でそれどころではなかった
あと、さっき承太郎から青い腕のようなものが見えたのもきっと気のせいだと思いたい
第35話 『エルゴノミック その�◆戡�←第33話 『ただの友達。 その��』
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人力車(プロフ) - 丹華 蓬＠沼暖かいさん» ありがとうございます( >▽<)ゞ 携帯が調子悪くてDSやパソコンからの更新になってしまって前よりも更新が遅くなってしまうかも知れませんが、お付き合いください！ (2019年10月5日 20時) (
レス) id: 60356de8e5 (このIDを非表示/違反報告)
丹華 蓬＠沼暖かい(プロフ) - 今回も面白かったです、無理しない程度に頑張ってください。 (2019年10月5日 20時) (レス) id: 3fce7d89ee (このIDを非表示/違反報告)
人力車(プロフ) - 丹華 蓬＠沼暖かいさん» ありがとうございます笑！これからの展開を楽しみにしているあなたのためにも、頑張ろうと思います！ (2019年9月25日 22時) (レス) id: 60356de8e5 (このIDを非表示/違反報告)
丹華 蓬＠沼暖かい(プロフ) - 人力車さん» いい展開になって来ましたね、次回が楽しみです、無理しない程度に頑張ってください。 (2019年9月25日 19時) (レス) id: 3fce7d89ee (このIDを非表示/違反報告)
人力車(プロフ) - 丹華 蓬＠沼暖かいさん» いつもコメントありがとうございます！！前より少し更新ペースは落ちてしまいましたが頑張ろうと思います！ (2019年9月22日 16時) (レス) id: 9f1d144e77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人力車 | 作成日時：2019年8月17日 10時
