オカルト部のホームズとワトソン ページ10
「そんな、ことが…」
「で…その後はどうなったんだ?」
眉をひそめながらも問うてくる英。彼の質問を、渉は冷たくあしらった。
「その先は、京介が知ってますよ。…すみませんが、今日はこれで帰ります。」
「おう。明日のお泊り会、忘れんじゃねーぞ?朝11時に海の家集合だからな」
「わかってますよ、ちゃんと準備も整えておきます…では、また明日」
パタン、と無機質に引き戸を閉める音が響く。
「まさか、あれほど重い過去だったなんてねぇ…もしかしなくても、話させないほうが良かったかもね」
ぼふっ、とソファに身を預けながら鬼羅が呟く。
「いや、そうでもねえぞ?なあ、英」
「ああ、そうだな、聖也」
そんな鬼羅にニヤッと聖也と英が笑いかける。
「え?どういう事ですか、部長?」
キョトンとした顔で問いかける京介。
「これはあくまで俺らの憶測だが…今回の怪異の犯人の大体の目星はついた」
「嘘っ!?凄いんだよー!?」
「ちなみに、犯人はどこのどなたなのですか?」
目を真ん丸にして驚く梅花と、冷静を保ちつつ英に問う蓮。
こうして、英と聖也の謎解きタイムが始まった。
「まず引っかかるのは、今回の怪異が見せる予知夢は全て、誰かが怪我をしたり死んだり、何かしら不幸なことが起きるという夢だという点だ。なあ、聖也?」
「ああ。今まで手掛けてきた低級怪異が見せていた予知夢はもっと日常的なものだったからな。それに、そんじょそこらの低級怪異が今回ほどに的確な予知夢を長期に渡って見せることはそうそう無い。つまり…」
くるり、と振り返った聖也に対し、英がああ、と頷く。
「今回の怪異はかなり上級だということがいえる。だがしかし、この怪異は俺達に対する敵意や悪意は持ってねえ。味方側と思っていいだろう。何故なら、この怪異は海やその周辺の人物に起こる悲劇を漏らさず事細かに予知してくれているからだ。まるで警告のようにな。そして…」
英は伏せていた視線をくっ、と正面に向ける。その目には、確信と不安が入り混じっていた。
「今回の怪異の原因…とは厳密には言えないんだが…海に予知夢を見せているのは、魔女だ。しかも俺と聖也とは顔見知りのな。名前は――
――幻夢の魔女・フラマ。フラマ・ロッソだ」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Lemon | 作成日時:2015年11月5日 1時