どうして? ページ7
ずかずかと大股で教室に戻る渉の手を、京介が掴む。
「…っおい‼渉!!どうしたってんだよ、あんな事して!」
その声で、渉ははっと我に返り、振り向く。
「…あー、その、なんだ…うん、ごめんね」
渉の言葉に、京介は目を見開く。先程、職員室であれ程怒っていた渉と同一人物とはとても思えない程に、今の渉は素直だった。
「や、なんか頭に血がのぼっちゃっててさ…京介も、そっちの君も、ごめんね。…あ、そうだ。後で海にも謝っとかなきゃ…」
いつものように顎に手をあてて考え始める渉。
「ごめんね。ほんと。完全私のせいで巻き込んじゃったなぁ…」
「いや、俺らのことは気にしなくていいよ。」
「はい。…私は、ちょっとすっきりしましたし…」
「ははは…これからは気を付けてね。そんじゃ私、もう行くよ」
女子生徒の言葉に苦笑いし、渉は教室へと戻って行った。
――そしてその日の部活。
案の定渉は、もの凄く怖いオーラを放つ椿に怒られていた。そしてその間も、渉は驚く程素直だった。
「いやぁ、あれを見てると今朝の渉ちゃんと同一人物には見えないねーww」
「笑い事じゃねーだろ、鬼羅」
「それにしても、どうして渉さんはあんなに大人を信用しないのでしょうね?」
「それは私達もわかんないんだy「多分だけど、渉の親父さんの件が原因だな」京介ー!割り込まないで欲しいんだよー!!(怒)…って、え?」
「だから、渉の親父さん。俺もちゃんと聞いた事無いんですけど、渉の親父さんが死んだ理由って、なんか複雑らしいんですよ」
「成程。その時に、渉が大人を信じられなくなるような『何か』があったっつーわけか」
「やっと終わった…あれ?なんの話してたんですか?」
そこに、椿のお説教から解放された渉が戻って来た。
「ああ、実は今n「渉!!どうして渉は大人を信じないんだよー!?」梅花ぁっ!!(怒)」
「さっきのお返しなんだよ!!」
「意外に根に持つな、お前!?ていうか、普通直球で聞かないよな!?」
「…ごめん、話の流れがわかんないんだけど」
――5分後。
「……というわけだ」
「ありがとうございます、部長。…う〜〜ん、話していいのかな、これ…まぁいいか」
「と、いうことは…」
「いいですよ。話します。…父さんが死んだのは、5年前、私が8歳の頃でした」
そして渉は話始めた。父の死にまつわる物語を――。
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作者名:Lemon | 作成日時:2015年11月5日 1時