四葉院中学オカルト部！２ (ページ6)

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これだから大人はページ6

「人が蔑まれて虐められるなんて、あっても良いと先生はお考えなんですか?まさか、そんな事は無いですよねぇ?いつも道徳の授業で、人を大切にしなさい、虐めてはいけません、なんて言ってるの、どこのどなたですか?それともなんですか、金持ちの生徒は他人を蔑む権利を持っているとでも?……何故黙り込んでいるんですか。少しは反論したらどうです?…"先生"」

まくしたてる渉を目の当たりにし、京介は完全に真っ青になっている。
「あ、あれはブチギレ状態ですよ…前に１度だけ見たことがあるんです」
正直言って恐ろしすぎる。普段、お花を飛ばしている雰囲気の渉からはとても想像できない。

「……ふざけるな!!!!」
またも怒声が響く。しかし今発したのは教師ではなく、渉だ。
「贔屓するのもいい加減にしたらどうです!!貴方がたが見て見ぬ振りしている虐めはこれだけじゃないですよね?まさか先生方がここまで落ちぶれた方々だとは思いもしませんでしたよ。

　 ………これだから大人は信頼できないんですよ」

最後、呟くように発せられた言葉に、朝野ははっとする。
そう言えば渉は極度の大人嫌いである。特定の、自らが信頼している相手なら話は別だが、教師などにはまず心を開くことは無い。

教師の声を無視して荒々しく職員室から出てきた渉の目には、失望感と嫌悪感、そして、誰に向けたものかはわからないが、明らかな憎悪が見て取れた。
「渉っ…!!」
慌てて京介が後を追いかけ、女子生徒もそれに続く。後には、朝野と海だけが残された。
残された海が、朝野に向かって深々と頭を下げる。

「ごめんなさい…!!僕、今日夢で見て、こうなるのはわかってたのに、止められなくて…本当にすみません!!」
「いいよ、起こっちまった事をうだうだ言っても仕方ないし。それにどう考えても今回の件の元凶は、今職員室にいる、あいつらだしな」

そう言いつつも、頭では別の事を考えていた。
何故渉はあそこまで大人を嫌うのか。何故大人を信用しないのか。

本当の事は誰も、そう、京介ですら知らないこと。全てを知っているのは、渉ただ１人だった。