403.弱い心 ページ27
「前むこ?」
ドンヘがぎゅっと私の手を握って言ったこの一言が、私の心に電気を走らせた。
事あるごとに
「前だけを向いて歩いていきたい。」
「過去を悔やんでも、やり直しはきかないんだから、だったら顔を上げて前だけを見ようよ。」
そう言って、私を立ち直らせてくれた彼。
自分のせいで、彼に迷惑を掛けたくない。
自分のせいで、嫌な思いをさせたくない。
私の強いこの想いは、人のことを考えているようで、実は自分のことしか考えていないんだと思う。
迷惑を掛けまいと明るく振舞っても、それを彼はお見通しで、結局はしなくてもいい心配をさせてしまうし、嫌な思いをさせたくないと思うのは、本当は自分が傷つきたくないからで。
立ち直るたびにそう思うのに、弱くなった心は、つい、自己中心的な考えに陥ってしまう。
またやっちゃった・・。
今回、こうやって旅行に連れ出してくれたのだって、きっと、周りの人達の反対を押し切ってなはず。
一歩も外に出られない、ううん、自分が傷つくのが怖くて閉じこもっていた私を元気づけるためなんだ・・。
ドンヘ・・・。ごめんね。
見上げた彼は、どこまでも優しい私の大好きな笑顔だった。
「ちょ、あれスジュのドンへじゃん?」
若い女の子特有の甲高い声に、身体がこわばったのに気づいたのか、ドンヘの手がそっと私の背を撫でる。
だいじょうぶ。
口だけで彼にそう言ってその場を過ぎようとしたけれど、少女たちの大きな声にあっという間に人に取り囲まれてしまった。
いくつもの携帯のカメラや、好奇の目が私たちに向けられる。
思い直したばかりなのに、私の弱い心は、再び私の顔を俯かせた。
「写真は撮らないで!ほかの方達の迷惑になりますので道を開けてください!」
リョウが私たちの盾になってくれたけど、人がいなくなるどころかますます増える人の山・・。
「・・おい・・」
少女たちに向かっていこうとしたリョウを必死で制す。
「^^。ヒョン、行こう。」
さすが、人に囲まれることにも慣れているドンへは、終始笑顔を崩さなかった。
「すみません。」
人ごみをかき分けて再び歩きだそうとしたその時、
「ちょっと。」
聞き覚えのある声に思わず振り向いた。
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さあ(プロフ) - 更新楽しみにしてます:;(∩˙˙∩);: (2014年4月14日 15時) (レス) id: 1dbacc4eda (このIDを非表示/違反報告)
なりは(プロフ) - dongloveさん» こちらこそありがとうございます(*^^*)。出来るだけ更新できるよう頑張ります☆ (2014年1月16日 2時) (レス) id: 40584f4527 (このIDを非表示/違反報告)
donglove - そうですよーーー。 ドンヘぺんです。自分の過去に傷があり、そこをsjのみんなが癒してくれたりかばってくれたりするのが読みたかったんです。まさにこの作品ですねww書いてくださって感謝しています。ありがとうございます。 (2014年1月15日 20時) (レス) id: 683ddb18d9 (このIDを非表示/違反報告)
なりは(プロフ) - dongloveさん» コメントありがとうございますo(^▽^)o♪ニックネームから見て、dongloveさんはどんへペンさんでしょうか?なかなか甘い2人を書く事ができませんが・・・これからの2人の行く末をどうか見守ってくださいね^^。 (2014年1月14日 20時) (レス) id: 40584f4527 (このIDを非表示/違反報告)
donglove - 現実と小説がごちゃごちゃになってしまいましたWW。この作品すっごく好きです。更新楽しみにしてます。 (2014年1月14日 0時) (レス) id: 683ddb18d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なりは | 作成日時:2013年8月14日 14時