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か、上鳴くん！？なんかもうウェイ状態になりかけてるよ！？
0Pはそれに構わず私達に近付いてくる。
...私は凡人、いやそれ以下だった。
だからヒーローなんて憧れじゃなかった。
悪に立ち向かうなんて怖いし、痛そうだし。
自分にとってメリットなんてないんだと思ってた。
現に足が動かなくなってるし。
...そんなことばっかり考えてた。
でも、ここで見捨てたら。
私は動かない足を無理矢理動かして、生まれたての小鹿のような状態でウェイ状態になりかけの上鳴くんを引きずって少し離れた場所に移した。
これだけでも私にしてはよくやったと思うけど、もう痛いなんて言ってられな.........あれ？
『血......？』
頬から、頭からポタポタと血が垂れている。
さっき0Pが出てきた時に瓦礫が当たったのか。
...うん、痛い。
傷に気づいたら痛くなるって本当だったのか。
『...っ、』
「......おまえ、そんな血、でて...」
後ろから上鳴くんの声が聞こえた。
その声を聞くと、弱音も吐いてられない気持ちになった。
『...大丈夫』
「え、」
『好都合』
「あっ...！おい！」
私は地面を蹴り浮かび上がる。
0Pに向かいながら抜いた羽に血液を染み込ませる...と。
それは鋭い針状のもの...剣のようにも見えた。
『ぶっ飛ばすのは無理かもだけど、機械を動かせなくするくらいならできるっ！』
私は羽の剣を力いっぱい0Pの中心部分に投げた。
それはグッサリと刺さり、ピリピリと機械の音がした。
『そんでッーーーー！』
翼を激しく動かし、風を起こす。
0Pはグラリと傾いた。
──倒れろ！！
私の言うことをきいたように、0Pは大きな音をたてて倒れた。
『よ、っし...！』
なんか、安心したら疲れが...、
ほんとに、私にしては頑張ったよね.......
個性を一気に使いすぎなのか違う世界の住人だからなのか、私はそのまま真っ逆さまに落ちていった。
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