起きたら翼が生えてた【MHA】 (ページ11)

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緑谷side

「君が危険を冒す必要は全くなかったんだ！！」

『どけてください』

「こら君！」

「...？」

僕がヒーローに怒られていると、ある人が人混みをかき分けて歩いてきた。

ヒーローに止められるも気にする素振りはなく......僕の前で止まった。

「羽平さん...？」

何故かパンパンに詰め込まれた買い物袋を持っている羽平さんは真顔だった。

買い物袋をその場に置いてくるりとヒーローの方を向く。

『ヒーローって、誰でもなれそうですね』

「！？羽平さんなんてこと言ってるのおおお！？！？」

ヒーロー達の空気がピリリとしたのを感じた。

そりゃいい気持ちはしないよね！？

『都合悪いから相性のいい個性持ちが来るまで人質は放置、なのに子供が飛び出したら説教...ふふっ笑えます』

そう言っているのに顔は笑っていない。

...そこにいる人全てが羽平さんに注目していた。

『あのね、緑谷くん』

「ﾋｬｲｯ」

『胸を張って！君のその行動で動かされた人はきっとたくさんいる！』

先程の冷たい表情と同じ人物とは思えないくらい、その笑顔は可愛らしかった。

───ヒーローになれる、と言う言葉じゃなくても。

その言葉だけで救われた気がした。