表裏物件 (ページ10)

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夕方聞きに行こうと思ったけど結局夜になってしまった。

...自分でもなんでわざわざこうやって管理人室まで行ってるのかわかんないんだけど。

そんな時、管理人前の自動ドアが開いた。

...酔っ払ったオッサンが、間違えて入ってきたらしい。

「...あ、あいつ呼べばいいんだっけ...」

電話しようとスマホを取り出すが、後ろからポンと肩をたたかれた。

『はいはいここにいるよ』

「あ...」

なんで後ろから来たんだ、と思えば管理人の髪は濡れていて、頭にタオルをかぶっていた。

...こいつどっかの空き部屋の風呂入ったな、、

『へっくし。
おじさん、ここ予約制ですぜ』

...オッサンに唾かかった気がするけど大丈夫.....

「アァ！？唾かけるとは何様だ嬢ちゃん、アァ！？」

...じゃなかった。

え、まずくない？このままだとあいつなんかされちゃうんじゃ...、

『不可抗力？というやつだよ、くしゃみだもん。
...ともかく、帰ってね私の家から』

いやお前の家じゃないだろ。

そう心の中でツッコミを入れているとオッサンが管理人を

殴った。

...え、嘘だろ。

「ちょっ！！」

俺は駆け寄ろうとするが、管理人が俺に向かって「来るな」というように手を出す。

『...やられたから、
いいよね！！』

何をするかと思ったら、管理人はオッサンの胸ぐらを掴みすごい力で外に押した、というか投げた。

「へぇ？？？？」

思わず変な声が出てしまったけど、それよりも。

「おいっ！大丈夫かよ！？」

『そんな大声だしたらダメじゃんジミン』

「んなのどうでもいいわ！口切れてんじゃねーかよ！！」

『え、ジミンあんた意外と口悪いね』

...なんでこんな呑気なんだこいつ、痛くないのか...？

『大丈夫、私痛み感じないから』

「はぁ？」

『ていうのは嘘で、完璧に感じないわけじゃないよ。普通の人は痛くても私にはくすぐったい、みたいな感じ』

「...でも怪我してる...、」

『はは、これくらい怪我には入らないって.....へっくし、...家で風呂入ればよかった...』

「.......俺達の部屋来れば？」

『え、なんで』

「髪乾かしてから帰れってことだよわかんないの？」

『あ、噂のツンデレだー』

「うるさい」