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｢もーAってばまだ寝ぼけてるん？火傷してまうで。ほら、あーん｣
｢あー……｣
素直に口を開けてグラタンを掬ったスプーンを待つAは、まるで小さな子供のようだった。
初めてAを拐った日の朝、お粥を作って同じように食べさせたのを思い出した。ほんの一ヶ月程前のことだが、何だか懐かしい。
まだ熱いのか、はふはふと口を動かして食べるAを眺めた。愛らしい動作に胸がきゅっとなる。なんて可愛い生き物なんだ……！
確かに人が苦しみながら食べる姿は好きだ。けれど、Aだけは違う。食物が彼女の口の中に入っていくところを見るだけで、胸の内の何かが蠢くような感覚に陥る。その食物に成りたいとも思うが、おれはAを幸せにすると決めたのだ。彼女に死ねとでも言われない限り、勝手に死んで肉の塊になったりなど出来ない。
それでももしおれが死んだらAに食べてほしいとか、そんな気持ち悪いこと考えてない、全然。
ぱちり、目が合ったAにふっと微笑まれた。
愛しいものを見つめるような、優しい薄ピンク色の瞳。ずっとずっと、おれだけを見ててほしい。他の誰もその瞳に映さないでほしい。
口にはしない過激な愛を、そっと胸にしまった。
｢A、美味しい？｣
｢んむ、美味しいよ。ゾムの料理、だぁいすき｣
ふにゃりと笑っておれの手からスプーンを取り、今度は自分で食べ始めた。
ふぅふぅと息を吹きかけるその仕草も愛おしい。
彼女の唇と何度も触れ合うスプーンにすら嫉妬を覚える。
｢……そんな可愛いこと言うて、まだ夢の中なん？｣
｢もう起きてるってば。こんなに幸せなの、夢じゃないもん。……もし夢なら、永遠に覚めなくていい｣
(……夢なら、ねぇ)
Aは愛が欲しかっただけなのかもしれない。
おれじゃなくても良かったのかもしれない。
……運命なんて、存在しないのかもしれない。
そう思い出すとキリがないけど、それでも良いと思ってる。
Aを手に入れる為になら手段だって選ばなかった。それくらい、自分のものにしたかった。
だから今までの時間が全て夢だったなんて、あってたまるか。なんて、口には出さないけど。
｢ゾム、食べないの？せっかく美味しいのに、冷えちゃうよ｣
｢……せやな、食うわ。食べ終わったらおれ寝るで｣
｢うーん、私も寝ようかな……｣
｢抱き枕になってぇな、A？｣
しょうがないなぁ、と笑ったAの頭を撫でてやった。
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影猫(プロフ) - トウマさん» ありがとうございます！私もヤンデレ好きです(笑)今度ガチもんのヤンデレも書いてみたいです。更新頑張ります……！ (2018年3月8日 3時) (
レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
トウマ(プロフ) - 影猫さんのゾさんがめちゃくちゃ好きです…ヤンデレが大好物なので（）更新頑張ってください！ (2018年3月7日 22時) (レス) id: a615484a47 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫さん» 了解ですっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - きゃらめるそーすさん» コメントありがとうございます。ついったでフォロー申請送って頂いた方でしょうか？誤操作で蹴ってしまったので、申し訳ございませんがもう一度送って頂けないでしょうかm(_ _)m (2018年2月23日 13時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫様のゾム氏がかっこよすぎて禿げそうになるぐらい悶えてますwこれからも頑張ってくださいっ！応援してますっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影猫
| 作成日時：2018年1月8日 18時
