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｢じゃ、行ってくる。夕方には帰れると思うから｣
｢うん、行ってらっしゃい｣
昼食を食べ終え、ゾムは再び仕事へ。
ちらりと時計を見た時に｢昨日のこの時間は……｣と思い出してしまうのが辛かった。また寂しく感じてしまいそうになるから。
ゾムに両手で頬を包まれた。
あ、キス……と無意識に目を閉じる。が、唇に感触はない。
あれ、と目を開けると、ゾムは心底愛おしそうに私を見つめていた。
その瞳に心臓を射抜かれたような、そんな感じがした。
｢……今キス待ってたやろ｣
｢べ、別に、そんなんじゃ、｣
｢ふふ、可愛かったでAのキス顔｣
｢え……｣
思わずムッとすると、ゾムに｢意地悪してごめんね？｣と頬にキスされた。
唇じゃないんだ、と何故か気を落としてしまう自分がいた。また一人で留守番だから、ちょっと寂しいだけだろう。
｢＿＿＿＿……｣
｢！｣
最後にハグされ、その時に耳元で囁かれた。
そしてニコリと笑い、家を出て行った。
……ゾムに囁かれた、｢夜はいっぱい可愛がってあげる｣の言葉に脳を支配されてしまった。
また胸が高鳴って止まない。早く夜になって欲しいとまで思ってしまうほどだ。
また一人になり、何とか落ち着こうとリビングに戻ってテレビをつけた。
適当にソファに座る。真昼間の番組は面白いものが少ないのだけど、無音の空間でぐるぐると無駄なことを考えてしまうよりはマシだった。
ぼーっとしながら見ていると、とある番組が始まった。
何かの再現映像に『どうして誘拐犯罪者に恋？ストックホルム症候群』の見出しが出ている。
どうも思い当たる節しかなくて、思わず体を強ばらせて見入った。
(犯罪者に、恋……)
ドキドキしながら再現映像を見る。なるほど、私とはちょっと違う感じではある。
そこで私は気付いてはいけないことに気付いてしまった。
この映像の主人公の女の子と同じように、私は今ゾムに恋しているのだと。
おかしな話だが、そう自覚してしまったのだ。
(殺人、誘拐、犯罪者、愛、恋、……病)
ストックホルム症候群。
犯人に対して過度な好意を抱くこと。
わたしがゾムに抱いている感情は、本当に好意なのだろうか。
それとも、大きな心の穴を埋めてくれるからと彼を利用しているだけなのだろうか。
分からない。ゾムの何が好きなのだろう。
あの綺麗な瞳に映りたいと思ってしまう。見てほしい、もっと私だけを捕らえてほしいのだ。
(……ヘンなの)
相変わらず一人は寂しい。
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ゆき(プロフ) - めっちゃアウトwwwwまぁ、いいんですけどね……親が来ると、ｻｯと、隠すわw (2018年8月3日 2時) (
レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - いちごあめさん» コメントありがとうございます。夢主の年齢は｢ゾさんの四つ下｣という設定しかございませんので、読者様の想像する年齢でお任せします(*^_^*)更新頑張ります！ (2017年11月4日 8時) (レス) id: 8114bfeb32 (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ(プロフ) - いつも更新を楽しみに読ましていただいてます( *´艸)更新頑張ってください！待ってます。一つ質問なのですが、夢主の年齢っていくつくらいなのでしょうか？もし見逃しているだけだったらすみません… (2017年11月3日 23時) (レス) id: abf32b3362 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - シャルルさん» コメントありがとうございます。私もこういう話が読みたくて書いてます……(笑)更新頑張ります！ (2017年10月31日 21時) (レス) id: 8114bfeb32 (このIDを非表示/違反報告)
シャルル - ゾムさん好きなので、こういう小説を待ってました…！一話更新時からずっと見てます〜。これからも更新頑張ってください！ (2017年10月31日 16時) (レス) id: 587f2cf2fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影猫
| 作成日時：2017年10月13日 21時
