【文スト】中原中也が好きすぎて 短編集

嘘と本当 2 ページ38

朝目覚めて




自分の顔にある涙の跡




夢じゃなかったんだと、知らされた





なんで、こうなっちゃったんだろ




もうあの日から1週間も経ってる



考えただけで





また、じんわり涙が出る





なんで、こうなっちゃったかな




でも、嘘で告白なんて、酷いよね




本当に？




本当に嘘だった？





あの時の表情




瞳




しぐさ




だめだ




私の足は何故か、中也の家に向かっていた




インターホンを押しても




中也は出てこなかった



なぜか少し、ほっとした



しばらく待ってたけど帰ってこなかった



A「.....何してんだろ、私」




バカみたいだ、帰ろ



中也「A？」





A「あ」




中也だ...



中也「何してんの？」




A「.....最近、中也に会ってないから、元気かなって...」




違う、そんなこと言いたいんじゃない




中也「そ。普通だよ、別に」



あーもう




伝えたいこと、考えておけばよかった




じゃあって、中也が家に入りそうになったから




A「まって...！」




思わず大きな声を出してしまった




言うんだ




A「中也、は、いつも私に意地悪する.....」




中也「はぁ？」


何言ってんだ私




A「だって、嘘ばっかつくじゃん！私のこと考えてるとか、私のこと好き、とか...」




あ、やばい




中也「だから、それは、」




また、泣きそう




A「本当は、全部、全部嬉しいの.....嘘でも、私のこと考えてくれてたのかなとか、好きでいてくれてるのかなって.....考えるだけで、嬉しいのっ、すごい嬉しいけど、そのぶん辛いのっ....」




涙が



溢れる




A「中也がっ.....好きなの....」




あぁ、いっちゃった




A「だから、好き、とか、嘘でそんなこと言わないで、辛いの、苦しいの.....私...」




ふわっと



身体が包まれた




中也「あのさー.....本当、照れるからそれ以上はやめてほしいんですけど..../////」




中也「つーか、俺はてっきりふられたのかと思ってた。A、泣いちゃってたから」



私の涙を拭いてくれた



A「あれは、嬉し泣きだよ...」



中也「嘘って言ったけど、あれ正直、照れ隠しというか、本当、だっせー真似してごめん...」



Aが好きだよ



本当に

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