136 ページ36
臣
休憩室を出て、自分のデスクに戻る途中、チラッとAを見ると、不自然に真っ直ぐPCを凝視してて、安西の話 信じちゃったんだなって思った。
Aみたいな純粋で自分に自信がないやつ
初めてで、大事にしなきゃって思ってたとこだったのに……
通りすがりAの頭にポンっと手を乗せた。
ビクッと肩を上げてから口を真一文字に結んで…
身体全体で拒絶された。
『信じて…』
Aにだけ聞こえるように囁いてデスクに座った。
隣から猫なで声の安西がやたらと話しかけてくるんだけど、もうイライラして仕事になんねぇし
瑞希はマジで怒ってて当たりキツイし…
隆二に話しかけられて、首を振ってるAは泣きそうだし
振り返った岩ちゃんは不敵な笑みを浮かべてるし
早く昼休みになんねえかな…
なんとか午前の業務を終えて、いつものようにAと一緒に弁当食べようと思ってたのに…
その時に誤解を解こうと思ってたのに…
アイツ、翔さんと一緒に出ていくし
俺の昼メシは？
ポカンと見送る俺の隣で隆二が呆れた顔してた
『あるわけねぇだろ。社食行こうぜ』
直接話したかったけど、こうなったら仕方ない。
俺は怒りの足取りで社食に向かった。
大勢の社員で賑わう社員食堂
その真ん中に近い席で同期の輪にいる安西
うっそー とか
やだー とか
すっごーい とか
バカみたいなリアクションしかしない同期の女子相手に得意気に話している。
隆二の制止を振り切って、俺はゆっくりと近付いた。
『安西さん…』
ピタッと話が止んで、皆の視線が俺に注がれてるのを確認してから安西に笑いかけた
その途端に静かだった女子どもが キャーって叫ぶ
うん。
筋書き通り
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 861人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花梨
| 作成日時：2017年11月16日 0時
