155話 ページ9
『それ…褒めてるんですか、それとも貶してるんですか』
帽子の鍔を両手で掴み、目線と同時に顔を隠すようにと下げる
珍しくひねくれた発言をするAに、承太郎は少々強ばった声で喋り出した
承「あ"?何言ってんだ
┄"貶す馬鹿が、どこにいると言うんだ"」
上から見下ろし、試着室の柱に手を着いた
そんな承太郎を見て、Aは少したじろぎ謝罪の言葉を掛けた
『すみま、せん…
怒らせるつもりはなかったんです…
ただ…
Aの言い分も、分からなくはない
なんせ、身長195cmの自他ともに認める"美形"と似た様な格好をするなど
謙遜的な彼にとっては《公開処刑》みたいなものであろうから…
段々と小さくなっていく声に、承太郎は打って変わって優しい声色で話し掛ける
承「┄"別に怒っていない"
それに…俺の言い方もキツかった、すまない」
『そんな事ないです…
それよりも本当は嬉しかったんです…先に不安の声が、口から出ちゃったんですけど
┄
照れ臭そうに小声で呟くAの声を
┄承太郎は獲物を見つけた様な表情を浮かべつつも、聴き逃しはしなかった
承「そうか
"ならその服のまま、次の場所へと向かおうじゃあないか"
オーナー、持ってきてくれた小物だが…其れらも全部買っていく
┄会計の方を、頼む」
ニヤリとした笑みを薄ら浮かべ、そのままの服で店を出ようとさっさと会計等を済ませようとする
そんな彼を見て、慌てて制止の声を上げる
『空条さん!!俺言いましたよね…ッ!?
"本当に!!それが最後でお願いします"って…ッ!!
しかも、どんな小物かも見ないで買うなんて…どれだけ俺に贈れば気が済む┄』
承「俺は彼女に《最後の服に合う小物》を見立てるよう頼んでいた…
それはつまり、
オーナー、買った物なんだが
もう少しで
┄支払いは、カードで頼む」
そんなことを言いつつ、彼は懐から再び黒いカードを取り出した…
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A藍(プロフ) - 味噌サバさん» コメント有難う御座います、彼はこれからの話の中で割と重要人物なので、いつ影を忍ばせようかと悩みに悩みました…(然し我慢出来ずに登場させた模様←)まったり更新ですが、どうか気長にお待ちくださいね^^* (2021年7月24日 7時) (レス) id: e84df0134f (このIDを非表示/違反報告)
味噌サバ(プロフ) - とても面白かったです!!まさか花京院が出てくるとは思わなかったので興奮してしまいました…!!更新楽しみにしてます!!これからも頑張って下さい!! (2021年7月23日 21時) (レス) id: e5232b7926 (このIDを非表示/違反報告)
A藍(プロフ) - パアさん» 前作に続きコメント有難う御座います、ある意味私の心臓(心)はパア様の有難いお言葉(コメント)によって射抜かれてる(はしゃいでる)ので、間違いではないですね…(ゲンドウポーズ (2021年7月18日 9時) (レス) id: e84df0134f (このIDを非表示/違反報告)
パア - なんか私のコメントのお体に気をつけてって犯行予告みたいになってますねw (2021年7月18日 1時) (レス) id: 668c039e2a (このIDを非表示/違反報告)
パア - 続編おめでとうございます。もはや家に帰ってからの楽しみとなっております。更新頻度も高いので、お体に気をつけて。 (2021年7月18日 1時) (レス) id: 668c039e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A藍 | 作成日時:2021年7月15日 0時