193話 ページ47
その場から去っていく3人を、鈴美とアーノルドは屋根の上から見守っていた
鈴「
隣に座る愛犬の頭を撫で、独り言を呟いた
そのまま目を細め、もう片方の手に持った鈴蘭の花に視線を向ける
鈴「
そのままで居てくれて良かった」
完全に目を瞑り、昔の事をぼんやりと思い出し始める
┄"アンタが何者かは知らねぇけど…
女性が泣いてるのに何もしないで消えるなんて、俺には出来ねぇよ"
┄"つってもなぁ…早く帰らねぇと店長にドヤされっし…どうすっかなぁ…"
┄"あ、そういや予備で持ってきといた《アレ》があった"
┄"コレ、やるよ
残りモンだけど…誰にも貰われないで枯れるよりかは、マシだしな"
┄"花言葉ってやつ、店長が教えてくれたけどなんだっけな…
あ、そうだ…花言葉は┄"
鈴「『幸福の再来』」
頭の中の彼が言った言葉と、鈴美が口にした言葉が重なった
鈴「Aちゃんから貰うと、より幸せが寄って来そうね
だって、世間では【幸福の怪人百面相】って言われてるもの
…Aちゃんの優しさが【事件】って言われてたことに関しては、むかっ腹がたったけれど
それ以外は其の名の通り過ぎて、笑っちゃったわ」
クスクスと笑い
目を開けて、距離が離れて小さくなっていく彼等を見る
彼女は鈴蘭を持つ手をその方角に伸ばし、切なげに呟いた
鈴「やっぱり、
今更、ね…」
悲しげな声を出す主を心配してか
アーノルドは小さく鳴いて、自らを撫でる手に鼻を擦り付けた
伸ばした手を戻した鈴美が、聞こえる筈のない彼に向かって話し掛ける
鈴「貴方とも、1度会った事あるのよ
┄"この町を守る、正義の怪人さん"」
┄┄┄┄┄
康一、露伴、Aの順に並んで
先程の彼女の事を話しながら花屋へと足を進める
康「でも彼女…何時でも会えるって言ったけど、何かちょっぴり寂しいですね…
そして、犯人の存在の不気味さも…
┄ところでAさん、ボーッとしてますけど…大丈夫ですか?」
未だに露伴と手を繋いだ状態で、静かに後ろを歩く彼に話し掛ける
『大丈夫だよ
┄気のせいか?
誰かに呼ばれた気がしたが…』
小声で呟いた
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A藍(プロフ) - 味噌サバさん» コメント有難う御座います、彼はこれからの話の中で割と重要人物なので、いつ影を忍ばせようかと悩みに悩みました…(然し我慢出来ずに登場させた模様←)まったり更新ですが、どうか気長にお待ちくださいね^^* (2021年7月24日 7時) (レス) id: e84df0134f (このIDを非表示/違反報告)
味噌サバ(プロフ) - とても面白かったです!!まさか花京院が出てくるとは思わなかったので興奮してしまいました…!!更新楽しみにしてます!!これからも頑張って下さい!! (2021年7月23日 21時) (レス) id: e5232b7926 (このIDを非表示/違反報告)
A藍(プロフ) - パアさん» 前作に続きコメント有難う御座います、ある意味私の心臓(心)はパア様の有難いお言葉(コメント)によって射抜かれてる(はしゃいでる)ので、間違いではないですね…(ゲンドウポーズ (2021年7月18日 9時) (レス) id: e84df0134f (このIDを非表示/違反報告)
パア - なんか私のコメントのお体に気をつけてって犯行予告みたいになってますねw (2021年7月18日 1時) (レス) id: 668c039e2a (このIDを非表示/違反報告)
パア - 続編おめでとうございます。もはや家に帰ってからの楽しみとなっております。更新頻度も高いので、お体に気をつけて。 (2021年7月18日 1時) (レス) id: 668c039e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A藍 | 作成日時:2021年7月15日 0時