幸福の怪人百面相 4【男主】

187話 ページ41

2人の問い掛けに


鈴美は酷く､感情的になって叫んだ









鈴｢ここの上空を《殺された人》の【魂】がよく飛んで行くからよｯ!!









┄"これと同じ傷口を負ってｯ!!"｣



自らの背中を晒して､よく見えるように背後を見せつけた



岸｢…｣


康｢こ､こんな…惨い…こんなに深く､長く…｣


『…これはこれは､芸術的なもんだな

┄"最も､これを刻んだ人物には唾棄すべきだろうがな"』



彼女の背中に"おぞましく刻まれたモノ"を見た彼等は､三者三様の反応をする


鈴美は体に汗を浮かばせ､天を仰いだ



鈴｢〖あの世〗へ飛んでいくその《魂》達と話は出来ないけど､何度も見たわ…

奴の《趣味》は､よく分かるのよ…あたしには分かるの!!



…あたしが生まれ育った思い出の杜王町で､15年に渡って殺人が行われている

とても"怖い"わ…
そして､とても《誇り》が傷つくわ

犯人が捕まった時…あたしの大好きな〖杜王町〗は【殺人者の町】として､日本中に悪名を轟かせるのは確かだもの…



でも!!
1日でも早く､犯人を止めなきゃいけないのよｯ!!

今も誰かが狙われてるわ!!あたしには何も出来ないｯ!!今度殺されるのは一体誰なのｯ!!









┄貴方達生きてる人間が､町の〖誇り〗と〖平和〗を取り戻さなければ

"一体誰が取り戻すって言うのよｯ!!" ｣









幽かなる閑静な住宅街に

彼女の叫びが､大粒の涙と共に





┄"酷く､響き渡った"









鈴｢分かってくれたか分からないけど…話は終わったわ…｣



時は進み

涙を止めた彼女が､小さな声で話の終わりを告げる



3人の中で､1番最初に口を開いたのは

"人1倍正義感溢れる､康一だった"



康｢……
わ､分かりました…とてもショックを受けましたけど…でも､何とかしなくては

(犯人が《スタンド使い》じゃなけりゃあいいけど…)｣



彼の発言の後に
露伴が､鼻を鳴らして悪態をつく



岸｢ﾌﾝｯ
良い子ぶるなよ､康一くん…しんどい目に遭うぞ｣



話を聞いても尚

思考が変わらない露伴を見て､鈴美は今迄以上に心苦しそうな表情を浮かべる









岸｢┄でも､【犯人】を追って取材するのも良いかもな!!
面白そうな〖漫画〗が描けるかもしれん｣



苦しそうだった鈴美は勿論

心配そうにしていた康一迄をも､彼らしい《発言(不器用な優しさ)》で表情を明るくさせた



康｢根はいい人だなんて､思わない方が良いですよ
信用して良いのか…灰色の人何ですから｣



┄"小声で､呟いた"

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