幸福の怪人百面相 4【男主】

162話 ページ16

花｢ﾌﾌ…僕は幼い頃から法皇と遊んで(力をつけて)きましたが

実際に彼がスタンド使いとなったのは"数年前"だったので､こうやって彼の《遊び(特訓)》に付き合ってたんですよ


因みに其れは

元の姿から､僕の法皇に似た容姿に《上書き》する…云わば"精密動作性向上の為の遊び"をした時の写真ですね


どの姿に上書きするか､お題を2人で決める時に

"じゃあ､法皇の緑が良い"と彼が言ったのを今でも鮮明に覚えてますよ



┄健気で､実に可愛らしいでしょう?｣



裏面の文字を見た瞬間黙ってしまったジョゼフに対し､花京院は吹き出した余韻を見せつつ容赦なく追撃する様に情報を口にする


ジョゼフが裏面の文字を見た事を確認した承太郎は､改めて写真の表を見て呟いた



承｢《上書き》､其れが此奴のスタンド能力か…

いけ好かねぇ黄色野郎(ラバーソウル)も､食らった肉と同化して姿を変えていたが…それと似たようなものか｣



頭の中で､写真の《彼》がラバーソウルの様に姿を変えていくのを想像する



花｢実際に其れを見た訳じゃあないが1つハッキリと言えますよ(･･･････････)









┄《上書き(オーバーライト)》は…いや､違うな









"Aは､その身が許す限り何でも上書き出来る"

例えそれが､この世の理(･････)だろうと…全て､です



┄まあ､彼はそんな"独裁者"めいた事…する気はサラサラないみたいですがね


寧ろ…Aの思考や行動は､何時だって《自分よりも周りの人間が優先》だ｣



気になるワードを次々と発しながら神妙な表情を浮かべ､学ランの内側から何かを取り出した









ポ｢なんだ､其れ…笛か?｣



その手には
"銀に輝く人差し指程の棒のようなもの"がチェーンに繋がれていた


焚き火にあてられ鈍く光るそれに､その場の全員が注目する



花｢《僕達の御守り》みたいなものです
ほら､その写真の彼も片割れ(･･･)をつけてるだろう?｣



承太郎はズボンのポケットからライターを取り出し､少しだけ火の灯りを近付けた



承｢首にかけてある"花"の事か?

…お前､随分と回りくどい事(･･････)してるじゃあねぇか｣



写真の中､花京院の隣で笑みを浮かべる彼

その胸元に光る《銀色の花のネックレス》を見て､承太郎は思わず本音を漏らした









花｢それでいいんですよ(･････････)

┄"今は､ね"｣



含みのある笑みを､浮かべた

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