63話 ページ15
心地よい寝息が､自室に染み込んで消える
┄時刻は､午後10時52分
Aは､明日の仕事に備えて既に床に就いていた
布団を胸元まで被せ､
枕元には､彼の愛用している携帯が充電器に繋がれぼんやりと光を放っている
仕事で疲れていたのであろう､Aはすっかり意識を夢の中へと飛ばしていた
このまま､朝日が昇る迄ゆっくり休める事だろう
┄アダプタが挿されたコンセントが､ﾊﾞﾁﾊﾞﾁと音を立てて光り出す
数秒後には､電気を纏った"彼"が部屋の中へと侵入した
彼は､警戒の"け"の字も無いAを見る
固く閉ざされた､黒眼
無防備に曝け出された､寝顔
┄そして
完全に締まり切ってない唇から覗き見える､毒々しい程に魅力的な舌
┄"生唾を､飲み込む"
彼は電気を纏うのを最小限に抑え､Aに近づく
…どうやら､完全に夢の中にいるらしい
先程"東方仗助"に言われた事と､昼間の内にAに言われた事を頭に浮かべる
┄"妬ましい"
この口から､あんな言葉を言わせる男┄空条承太郎がとても妬ましく感じる
彼はそっと､Aの顔の横に両手を着く
┄まるで押し倒してる様な光景に､高揚する
"なぁ…起きてんだろ"
消え入る様な声で､問い掛ける
"少し…一瞬だけで良い
┄
右手で､Aの頬を撫でる
『┄なんだ､昼間に比べると物凄く健気じゃあねぇか
"そっち"の方が､断然俺好みだな』
掠れた気味の声が聞こえたと思えば
右手首を捕まれ､そのまま顔と顔の距離が近づけられる
『御機嫌､如何かな?
┄"レッド･ホット･チリ･ペッパー"』
寝起き特有の､低い声と
まるで"
思わず"電気を纏って"､Aから離れた
チリ･ペッパーは､焦る自分を隠そうと更に電気をﾊﾞﾁﾊﾞﾁと鳴らす
┄電気が､周囲に走る
窓を背中にして､顎を上げて口を開く
レ｢どーも､
┄今日は"月が綺麗ですね"?｣
普通の人なら､言葉通りの意味として受け取るであろう
┄然し
Aは妖しげな笑みを零し､ゆっくりと言葉を口にする
『┄本当に､綺麗なお月様ですね』
三日月でも､満月でもない
中途半端な形の月が､窓から部屋に光を届けた
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A藍(プロフ) - なしばさん» コメント有難う御座います､ﾋｪｯ…前作から読んで下さってた方ですか…!!これからも､夢主君には沢山甘やかしたり甘やかされたり…兎に角､甘やかしたいので(←)もっと更新頑張ります!!^^* (2021年6月25日 19時) (
レス) id: e84df0134f (このIDを非表示/違反報告)
なしば(プロフ) - 前作から読んでいるのですが、続編とっても嬉しいです！！ 前作で百面相の正体が分かり、これからどうなっていくのか気になります……！ 恥ずかしがる空見くんも本当に好きです。これからも応援してます！ (2021年6月25日 17時) (レス) id: 485594ded7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：A藍 | 作成日時：2021年6月24日 15時
