ぴのっきおの ページ23
いや、というか誰だ?
「可愛い顔してるね」
…えっと
出会って早々口説かれてる?しかも男に?
え、どういう状況だよ
「おいで」
ぎゅ、と手を握られ
厨房へと連れていかれる。
あれ、僕確か客だよね?
こんな自由でいいの?
「チキンスープ、つくったから」
どうぞって渡される
湯気の出てるいい匂いのスープ。
…飲んでいいの?
「早く飲んで」
あ、いいのか
じゃあいただきます。
「美味しい?」
…何これ、
美味しい
こくこく、頷く。
「ふふ、本当に可愛いね」
言ってることがちょっとアレだけど
美味しいのは本当。
ON「僕はイ・ジンギ。ここで料理長してる。君は?」
ジンギさんは首を少し傾け聞いてくる。
ポケットから携帯を取り出し、文字を打ち込む
ON「…何してるの?」
んー、もうちょっと待って下さい…
よし、出来た。
文字の打ち込まれた液晶画面をジンギさんに見せる
ON「A君、か。そっか、分かった。」
きっと最後の分かった、は
僕が声が出ないことに対してだろう。
ON「あ、じゃあID交換しようか」
そうすれば話せるね、そう言ってニコッと笑ったジンギさん
変な人だと思ってたけど、違うのかな
ON「うん、登録出来た。」
僕も出来た
友だち、の名簿欄に新しい人が増えた
気の棒を鼻にあて、目を瞑ったセルカをアイコンにしたイ・ジンギさんが。
…やっぱり変な人だった
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作者名:さにゃ | 作成日時:2014年9月26日 0時