宿命を背負し者達～second part2～【ハリーポッター】 (ページ43)

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第８６話『戦いの結末』ページ43

私とエルリアは目線を下げながらバジリスクに呪文を放った。きちんと見れないせいで呪文が効いているかどうかもよくわからない。目を見たら死んでしまう恐怖と緊張感に体が震えそうになる。バジリスクも私達に噛みつこうと鋭い毒牙を向け、巨大な体で押し潰そうと攻撃を繰り出し、必死に盾の呪文で防ぐ……！！

A「……いっ！！」

隙をつかれて私はバジリスクの巨大な尻尾に吹き飛ばされ、壁にいやというほど強く打ちつけられた。全身に伝わるあまりの痛みに気を失いそうになるのを気を強くもって耐えた。ここでもし倒れてしまったら、エルリアはどうなるの……？ジニーは……？そう気を強くもっているのに、体を起こそうのに。足に伝わるひどい激痛を耐えながらなんとか立ち上がってエルリアを援護する。炎で攻撃しても、ステューピファイを何度かけてもバジリスクの攻撃は休まることがない。だんだん疲れがたまって、防戦一方になる私とエルリアに限界が近付いてきていた。だからこそなのだろう。だんだんと隙が出てきてしまったのは。

エルリアとA「うわぁぁぁあ！！！！」

バジリスクの鋭い毒牙から逃げきることができなかったのだ。ほんの少しのかすり傷だが、バジリスクの毒は二人を蝕んでいく。

A『嫌……！死にたくない……っ！』

ぼやけていく視界。感覚がなくなる体。すぐにエピスキーをかけようと杖を握るが、力が入らない。このまま私はジニーを助けることも、近くにいるエルリアでさえ助けることもできずに死ぬんだ。薄れゆく意識のなか。ぼやけた視界のなか。私は大きな黄色い二つの目玉を見たのを最後に、意識を手放した。

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