第７６話『決心』 ページ33
寮に戻った時、広いと思っていた談話室は大勢のグリフィンドール生で溢れかえってぎゅうぎゅう詰めだった。マクゴナガル先生は生徒が二人も襲われたこと、午後の授業が終わったあとのクラブ活動は禁止、次の授業に行くときは先生がクラスまで引率すること、トイレにもついてもらうことを話した。そして、マクゴナガル先生羊皮紙をくるくると巻いて、悲しげな顔で、でもしっかりとした目で私達を見て、言った。
マクゴナガル「言うまでもないことですが、私はこれほど落胆したことはありません。これまでの襲撃事件の犯人が捕まらないかぎり、学校が閉鎖される可能性があります。誰か犯人に心当たりがある生徒は申し出るよう強く望みます。」
マクゴナガル先生はぎこちなく談話室から出ていった。そのとたん、グリフィンドール生は犯人についてざわざわと騒ぎだした。
A「どうしたらいいの？」
私はハリーの耳元で囁いた。こうゆうときにいつも助けてくれるハーマイオニーは、もういない。ハーマイオニーと同じくらい賢いエルリアに聞くべきだろうか……？でも寮から出ることは禁止されてる。さらに警備が強化されるだろうし………。
ロン「ハグリッドが疑われると思うかい？」
ハリー「ハグリッドに会って話さなくちゃ。今度はハグリッドだとは思わない。でも、前に怪物を解き放ったのがハグリッドだとすれば、どうやって秘密の部屋に入るのか知ってるはずだ。」
A「どうやって抜け出すの？警備もこれまで以上に強化されるだろうし………。」
ハリー「父さんの透明マントを使おう。」
私達は周りに聞こえないように、ハグリッドの元へ行く作戦を立てた。そして、やっとネビルとディーンとシェーマスが秘密の部屋の討論を止めて、寝静まるのを待った。
A「行こう。」
急いでマントを被り、寮をこっそりと抜け出す……。何度も城の中をさまよったことがあるけど、こんなに人がこみあってるのを見たのは初めて。監督生,先生,ゴーストが二人ずつ組になって、不審な動きはないかと目を光らせていた。やっとのことでハグリッドの小屋に着くと、戸を叩く。すぐにハグリッドがバタンと戸を開けて、石弓を突きつけていた。ファングは後ろで吠えたてている。
A「ハグリッド、私達よ。」
私達が透明マントを脱いで姿を現すと、ハグリッドはばつが悪そうに石弓をしまった。
ハリー「それ、なんのために？」
ハグリッド「あぁ……ちいと用心のためにな。中に入れや……。」
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作者名：ペン兄ぃ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1f64ee7eb31/
作成日時：2017年10月23日 12時
