60 【某バレー部男マネのその後の日常】 ページ16
「二葉、見ろ!相手校に、超可愛い女マネがいる!」
相手校の女マネを指差して、俺の肩を揺すり、興奮気味になっている、かの有名な後釜セッター。
彼は本日も、絶好調なり。
我らが元主将セッターのウザさも引き継いでいく予感。
『矢巾、女の子見てないで真面目にアップしろ。』
「わかったから、そんな目で見んなよ。」
これは、俺のその後の日常。
『京谷くーん。』
「キモい。黙れ。近寄るな。」
三拍子で拒絶されて、俺の顔のパーツは中心によらざるを得なくなった。
『そんな冷たいこと言うなよ。』
「じゃあ、その呼び方やめろ。」
『え、嫌だけど。』
「あとで後頭部にサーブ当ててやる。」
『………それぐらい避けてやるし?』
今日もまた冷たい塩対応の狂犬を宥めながら、体育館へと向かう。
これもまた、俺のその後の日常。
「二葉さん。」
『……どうした、国見。』
「俺の塩キャラメル食べましたか。」
『………なんのことだか。』
国見がいつにもまして、深刻そうな顔で話しかけてきので、俺は、引きつった笑みをたたえて返答したんだけど。
「もう一度聞きます。俺の塩キャラメル食べましたか。」
『…………ちょっとだけ?』
「俺の塩キャラメル食べまし…、」
『ごめんなさい!箱に入ってたやつ全部食べました!だってお腹空いてたんだもん!』
「もんじゃないです。土下座して弁償してください。」
国見ちゃんが、俺の後釜になる予感がしている。
もちろん、これも俺のその後の日常。
「Aちゃん、今日一緒にラーメン食べに行く?」
3年四人衆が、今日もまた飯に誘ってくれたので、俺は満面の笑みで頷いた。
『及川さんの奢りですね。もちろん行きます。』
「いや待って。なんで俺の奢り決定なの?」
『え?違うんですか?じゃあ行きません。俺は、太っ腹な及川さんと、ラーメンを食いに行きたいんです。』
「俺、引退しても未だにカモ脱却できてないんだけど!?」
そんなのも、俺のその後の日常。
青葉城西高校バレー部2年。
ポジションは、マネージャー。
今日も俺、【二葉 A】は、日々空腹に耐えながらマネの日常を謳歌しています。
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千夜(プロフ) - ちゃらさん» ちゃらさん、ありがとうございます!そんなこと言っていただけてほんとに嬉しいです! (2018年3月27日 13時) (レス) id: da4d7a241b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃら - 面白いです!皆格好いいし、ストーリーが凄く好きです。 (2018年3月24日 22時) (レス) id: b7f29ff674 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千夜 | 作成日時:2018年1月23日 23時