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59 【男子マネージャーの規定】 ページ15

『はい、質問。』

「なんだよ突然。」

『どうして上のギャラリーは最近静かなんですか。』

「それは聞くな。」

引退式も終わって、主将の引き継ぎやらなんやらも終わり、いつも通りの日常が帰ってきた。

いつも通り、とは言え、ギャーギャーうるさかった先輩たちがいないというのは、少し物足りない。

キャーキャー叫ぶ女の子たちでいっぱいだったギャラリーも、最近はやけに静かである。

及川さんのウザさがないというのも張り合いがない。

女の子に応援されないのも寂しい。

『静かだ。な、矢巾。』

「及川さんと言い争えないからって、無理やり俺と話すのやめてくれる?」

『何もそんな言い方しなくてもいいだろ、事実だけど。』

矢巾が俺の頭を小突いて去っていったあとで、俺はドリンクを作りに体育館を出た。

最近は一気に冷え込んできて、ドリンク作りは手が痛い。

温かい水が出ることを祈りながら、今日も懸命にあかぎれ寸前の手で水との戦闘を始めた。

マネージャー業務は、正直楽だ。

力仕事は時々あるけど、あくまでも時々で、疲れることはない。

ボール出しだとか、タイムキーパー的な役割だとか、あるとは言っても、選手たちみたいに永遠走り続けるわけでもない。

女の子でもやれる上に、男子高校生は女マネを望むから、男子バレー部のマネージャーは女子ばかりになるんだ。

うん、俺だって女マネ欲しい。

だからといって、男マネがいてはいけないなんて規定はどこにもなくて、だからこそ、俺は今ここにいる。

マネージャーがこうでなくてはいけない。

そんな規定、どこにもない。

だから、選手からマネに転身した日々空腹の男マネだって、いてもいい。

俺たちマネージャーに必要なのは、コートの外で仲間として戦うこと。ただそれだけだから。

だから、マネージャーもいつだって真剣なんだ。

男バレマネが女子じゃなきゃいけないなんて、誰が決めた?

自由に行こうぜ、Danマネ!

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千夜(プロフ) - ちゃらさん» ちゃらさん、ありがとうございます!そんなこと言っていただけてほんとに嬉しいです! (2018年3月27日 13時) (レス) id: da4d7a241b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃら - 面白いです!皆格好いいし、ストーリーが凄く好きです。 (2018年3月24日 22時) (レス) id: b7f29ff674 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千夜 | 作成日時:2018年1月23日 23時

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