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少し落ち着いて、まともに喋れるようになった。『──ありがとう、もう大丈夫。…じゃあ、私も話すね。いなくなった理由も、今までしてた事も。…正直、思い出したくないんだけど…』
目を閉じて、深くにしまい込んだ記憶を呼び起こす。
───
その日は、なんでか知らないが寝付けなかった。言いようのない不安が、何故か心の奥底に渦巻いていた。
その不安は、当たった。
夜が明けるまであと
当時の私の背丈ぐらいありそうな、針のようなものを持った女…女の鬼だった。
まず、一番近かったお母さんと禰豆子が寝ていた布団に振りかざされた針を、慌てて飛び起きて両腕で受け止めた。幸い毒針なんかではなかったが、今まで味わったことの無い痛みに襲われた。
───
『な、に…?!やめて…!!誰、誰なの…!?』
これ以上ない恐怖心に襲われながら、思ったままの疑問を口にする。
ソイツは質問に答えることはなく、私の腕から滴る血を見てニヤと口角を上げると、針を引き、代わりに私の腕を掴んで物凄い力で引き寄せた。外に連れ出される。
混乱で何も考えられない私に、ソイツは一方的に話してきた。
私の血は“マレチ”に近いもので、人間15人分程の栄養があること。
そして、他の家族を殺さない代わりに私だけ殺して喰うということ。もしも家に逃げたら、皆殺しだということ…を、聞かされた。
しばらくすると、ソイツはある地点でピタリと止まった。そして、何の躊躇いも無く針で肩口と脇腹を刺してきた。
避けることも出来ないほど速かった。
そこからは、記憶が抜け落ちている。
途切れかける意識の中、私のそばにあったのは。
自分のものと信じたくもないほどの、血の海と
たった一つの家族との繋がり───強く手に握った、花札。
それだけだった。
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みこち(プロフ) - せんかさん» 大丈夫です。有難う御座います。 (5月12日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
せんか(プロフ) - みこちさん» ありがとうございます!!了解しました〜!夢主ちゃんお話にいてもいいですかね…?() (5月12日 20時) (レス) id: 78ee830f0f (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - あの、可能でしたら、炭治郎が鬼の攻撃から玄弥を庇い、見た目其の儘に超絶美少女に変わり、知らずに兄貴の実弥が炭ちゃんに惚れて、事情を知らない兄貴を玄弥が呆れて止める…とか (5月11日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
玲亜(プロフ) - せんかさん» ありがとうございます!待ってます! (5月11日 20時) (レス) id: d400c2c0a7 (このIDを非表示/違反報告)
せんか(プロフ) - 玲亜さん» 了解です!!かわいく書けるよう頑張ります!! (5月11日 20時) (レス) id: 78ee830f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せんか | 作成日時:2023年3月16日 23時