元竈門家長女は現雲柱【鬼滅の刃】

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伊黒さんが日陰に入るよう指摘すると、不死川さんは目で追うのも難しい速さで屋敷内に入っていく。

再び箱に刃が突き立てられると、彼(炭治郎)はとてつもない大声で禰豆子の名前を呼ぶ。…私も思わず固唾を飲んで見守る。激昂した彼(炭治郎)が不死川さんの方へ向かおうとした瞬間、伊黒さんが肺辺りに肘を入れて抑える。
うーわ、痛そうなとこ刺さってる…容赦無いな伊黒さん…

その間に、箱に刃が突き刺さる。…かなり息の詰まる光景だが、彼ら(炭治郎たち)が信用を得るには不可欠なのだ。私が動くわけにはいかない。

考えている内に、箱の中から禰豆子…“鬼”が出てきた。──間違いなく、鬼の姿。私の知っている禰豆子とは全く違う。
竹筒を噛んでいる禰豆子は、血、それも“稀血”を前にしても、うめきながら耐えている。

───一方で、伊黒さんがしのぶちゃんに腕の力をゆるめるよう言われている。が、それも聞き入れない様子。…むしろ更に力が入ったような。

無理に息をすると血管が破裂するらしい。想像するだけでも痛い…

彼(炭治郎)も制止を無視し、呼吸をして力を込めている。…あーもう見てられない！
ずっと伊黒さんの横で静かにひやひやしていた私だが、ようやく決心がついた。
肺を押えていた伊黒さんの手首を掴み、引き剥がす。それとほぼ同時に彼(炭治郎)の縄が切れたらしく、一直線に走っていく。

…伊黒さんにジッと見られたのは気のせいだ。うん。

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