第10話 魔王ゲルド ページ12
「気絶するな」
Aの言葉通り、魔人の意識は回復した。それを機に、俺達はそれぞれの刀でいたぶる。直接喰い千切られるような激痛と、鬼人達の斬撃を身に受け、心身共に限界を迎えていたが、それで赦せるほど温厚ではない。
「うおぉおっ!
もはや気力で抗い、スキルを
男は、とうとう『ゲルド』と呼ばれた豚に助けを求める。だが、
《確認しました。個体名ゲルドが、魔王種への進化を開始します》
数秒の間を置き、動きが鈍かった帝が
「シオン! A!」
「承知しています!」
「了解」
魔王ゲルドをそれぞれの腕力と愛刀で迎え打つが、拮抗したのは一瞬だけで難なく弾き返された。ハクロウが頭を
「ランガ! ヘルフレアが消えたら、即ぶちこんでやれ!」
「…承知した」
だが、鬼人の連携とランガの攻撃でも、ゲルドを倒すには至らなかった。さらに、自分の腕だけではなく、仲間を喰う事により、完全回復してしまう。
《聞こえるか? ベニマル》
リムル様の思念伝達が届き、魔王の前に立つ主を救いに行こうとするシオンを、言葉で制止をかける。
「そこをどいて下さい! リムル様をお守りしなくては!」
「いいから落ち着け。連携を望まれているなら、思念伝達でそう言われるはずだ。俺に伝えられたリムル様の言葉は一言。『任せろ』だ」
黒炎を切っ先にまとい、腕を再生できぬように一太刀で切断。刀をも溶かし、腐食効果のあるデスマーチダンスも回避。最終的に、ユニークスキル同士の戦いになった。
「俺の勝ちだ。安らかに眠るがいい」
日の出と共に、スライムから人の姿へ変化したリムル様の一言で決着がつき、我々の勝利が確定した。
翌日の早朝。
トレイニーの権限により『ジュラの森大同盟』が成立し、鬼人にそれぞれの役職を下さった。
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竜胆(プロフ) - 200回の投票を頂き、ありがとうございます。 (2023年3月8日 19時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - お気に入りに入れて下さる方が、再び400人に到達! ありがとうございます。更新できるように頑張ります。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 瑠亜@影月さん» 瑠亜@影月さん、コメントと応援ありがとうございます。心変わりしてしまうほどとは(笑)もう話が一杯になったので、ただいま続編に向けて考案中です。更新できるよう頑張ります! (2019年5月13日 1時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠亜@影月 - 私はソウエイが推しキャラだったんですが、若様に心変わりしてしまいそうです(笑)これも竜胆さんの文才の力ですね!これからも更新頑張ってください! (2019年5月12日 21時) (レス) id: 9b9cc1c6b7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 紫癸さん» 紫癸さん、コメントと応援ありがとうございます。お褒めの言葉も重ねて感謝します。ただいまコミック版最新話の展開を待機している状態なので、もうしばらくお待ち下さい。必ず更新します。 (2019年4月11日 22時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜胆 | 作成日時:2018年12月1日 1時