北の国では2［ゴールデンカムイ］ (ページ49)

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93話ページ49

「海賊さん！江別に着きます！」

白石がそっと僕らに耳打ちをしてきた

白石「海賊房太郎のあの話ぶり…アイヌが最初に金塊を隠した場所をすでに突き止めたのかもな」

杉元「でもそれだけじゃ見つけられないと本人も言ってる」

白石「刺青人皮は役に立たないって噂、どう思う？」

『噂は噂だ、本当とは限らない』

杉元「ああ、俺も刺青人皮集めは継続すべきだと思うぜ」

白石「まあまあ…ひとまず手を組むふりをして情報を引き出そうぜ」

『そうだな』

海賊が下へ降りていったと思ったらすぐに上がって来た

海賊「さあ終点の江別に着くぜ、やっぱり分け前に納得いかないかね？お前ら砂金の量はどのくらいって聞いてる？20貫だろ？」

海賊が手で大きさを示した

海賊「アイヌのジイさんの話では砂金がこれくらいの鹿皮の袋にパンパンに詰まっていてな…ひと袋で16貫あったらしい。その袋が千二百以上…山のように積んであったってよ」

白石が鼻水を垂らしながらアホらしく口を開く

『相当の量だな』

海賊「どうよ？浪漫があるよな！…一緒に夢を追えなくて残念だよ」

杉元「？」

『！』

後ろを振り返ると拳銃を持った男

その拳銃に矢が刺さった

アシㇼパさんだ！

アシ「背嚢の中を見られたぞ！」

その言葉を聞いて杉元が銃剣で海賊を襲う

『このッ！白石を離せ！』

白石を抑える男を蹴飛ばして川に落とした

白石「た、助かった…」

『立て白石！』

白石「木にぶつかるぞ！しゃがめAちゃん！」

足首を白石に引っ張られて看板に倒れた

『のわっ！？』

木の枝に引っかかって海賊と杉元とその部下が落ちて行く

『まずいぞ！杉元が外輪に巻き込まれる！！』

ボキボキと骨が砕けるような音が外輪から聞こえる

『杉元！！！』

急いで下に降りて水中を覗くと海賊と水中でやり合ってた

『海賊は水中で恐ろしく息が持つんだろ！？杉元が不利だ！』

白石「俺がいくからAちゃんは待ってろ！」

『危険だ白石！！』

僕の話を聞かずに川へ飛び込んでいった

目を凝らして川の中を見ると

空気を口移しで渡そうとする白石を拒むように殴る杉元が見える

『何か…向こうの方、川の流れおかしくないか？』

アシ「どれだ！？…ピシコㇿカムイチェプ！！ユペだ！」

チョウザメだ

チョウザメの群れが川を一気に泳いでる！

『杉元がチョウザメに捕まってるぞ！』

海賊も杉元の脚を掴んで離さない

杉元「ば〜〜〜！」

アシ「杉元！」