北の国では2［ゴールデンカムイ］ (ページ35)

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84話ページ35

杉元「おかしいな〜間違いなくこの辺にいたんだけど」

アシ「お前ら歩き回るな！熊の足跡かどうかわからなくなる！」

杉元「やっぱり…あの白い熊を送らなかったから山の神さまが…」

アシ「わからないことをカムイの所為にして、考えることをやめるのは良くないことだ。ヒグマがいたのに足跡が残っていないなんて絶対に有り得ない」

『とにかく平太を探さないと』

杉元「俺らは熊を倒すから、白石とAは平太師匠を探せ！あの男が食われたらすげえ困る！頭巾ちゃんもつれていけ！」

白石「了解！」

僕と白石はバラバラになって探した

『ﾊｧ…ﾊｧ…どこにもいない…』

白石「こっちだ！Aちゃん！」

『どこだ！？』

僕が近寄ると杉元たちもいた

平太「ノリ子姉ちゃんも食われてしまった…僕の所為だ…」

杉元「平太師匠あんた…さっきから誰の話をしてるんだ？」

頭巾ちゃんが必死に何かの絵を描いている

『な、なんだその絵！』

平太の裸の絵を必死に描いている

アシ「平太の足元にあるそれ…ヒグマの毛皮だな？」

平太「え？いつのまにここに…」

杉元「いつのまにって…あんたがそれを大事そうに背負ってたじゃないか」

平太「違うんです！何度も捨てたのに…焼いても皮に流しても人に頼んで処分してもらっても…いつのまにかどこかから手に入れて持ってるんだ！」

アシ「杉元と白石が見たと言う熊はその毛皮だったんだじゃないか？」

『たしかに毛皮を広げれば熊一匹分の大きさになりそうだな』

平太「みんな早く逃げて…」

アシ「平太のいうウェンカムイとは平太の頭の中にだけいるんじゃないのか？」

平太がいきなり毛皮を風呂敷から取り出して頭からかぶった

杉元「平太師匠！どうしたんだ？」

なにやら毛皮の中から荒い息遣いが聞こえてくる

平太「ぶおおおっ！」

雄叫びを上げながら杉元の腕に飛びついた

骨が折れたように曲がった杉元の腕

『杉元！』

僕は急いで小銃の弾倉に弾を込めた