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51話 ページ2

ついていくと先ほどの酒場だった


店主が何かロシア語で話してる


月島「スチェンカ?」

『なんて言ってるんです?』


月島「どうやら杉元が殴り倒した男は何かの賭け事の参加者で、こんなに目が腫れては出られないから責任をとれと」

『なるほど、それで犬を盗られたというわけですね』

杉元「いいからさっさと犬返せ、店ごと潰して宗谷海峡に浮かべるぞこの野郎、伝えろ月島軍曹」

『お、落ち着け杉元!』

鯉登「あの犬は私が高い餌代を出して雇っている。すぐに返さんとそのパヤパヤ頭を三枚におろして犬の餌にするとロシア語で伝えろ月島軍曹」

『鯉登少尉も!』

2人がイライラしだした

月島「難しい表現の通訳は出来ません」

店主がまたロシア語で話した

月島「なに?我々が探していた男…つまりキロランケたちは北海道から来た刺青の男を探していた、と」

谷垣「だからこの村はきたのか!」

月島「スチェンカにはその刺青の男も来るかもしれんと言ってるぞ!」

杉元「脱獄囚は樺太にまで渡っていたか」

移動して建物に案内された

月島「スチェンカはここで行われているそうだ」

杉元「だからなんだよそのスチェンカってのは」

店主によって開けられた扉の先には

『熱気がすごい…』

筋肉モリモリの肉体をした男たちが殴り合っていた

杉元「スチェンカやるしかねえのか…俺たちで」

月島「俺たち?」


***
月島「彼は強い男としか戦わない、興味のある相手がいないとスチェンカに出ない日もある、だそうだ」

杉元「スチェンカに勝って、そいつを舞台に引っ張り出すしかないってことか」

『そうだな、少しでも刺青を集めておきたい』

杉元「とにかく俺たちがスチェンカで勝つからすぐに犬は返さんと頭の毛を全部毟ると伝えろ月島軍曹」

月島「なんで俺たちなんだ?」

鯉登「出るのは杉元だけで充分じゃないか」

谷垣「そもそもお前が殴ったのが悪いんだぞ」

『僕は出たい』

鯉登「はぁ!?Aっ…、わかってるのか!?上裸になって…!男と殴り合うのだぞ!!」

『ですが刺青の男を確認しなければなりません、鯉登少尉が出ずとも僕と杉元で蹴散らします』

杉元「流石は俺の戦友だぜ!」

杉元に肩を組まれる

月島「ひとり抜けた穴を埋めればいいと言っているぞ」

『じゃあ杉元だけしか出られないのか…』

杉元「そう落ち込むなって!A、上裸になれるのか?」

『サラシまいてるし、それで出るつもりだった』

杉元「……そう…大丈夫なのそれ」

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作者名:八咫烏 | 作成日時:2022年4月21日 14時

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