2 insecure ページ2
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『俺の実況なんにも進んでねぇ』
今日もクソうるさかったなと悪態をつく裏腹に
はぁぁぁ…すき…と余韻に浸っている
どうしてこうも楽しい気持ちになるんだろう
「キヨのおかげで生きてて良かったって思える尊い」
それでもまぁ、キヨと出会った頃と何一つとして成長していない私は、
数時間後には死にたいって喚いてるんだろうなぁ
強いていうならイベントのために単発の仕事を増やしたくらい
あっちなみに私ニートです。ニートっていうかフリーターというか
でも雇われてるわけじゃないから実質ニートかな
生きてる価値あるのかな
「…え゛、キヨまたイベントやるの」
ぴろりん、と音のなる方へ覗き込めば、
ツイートされましたと連絡がはいる
そこに書かれていたのは ' お前ら喜べ。イベントやるぜ '
と相変わらずの上から目線報告
ダメだ私死ぬタイミング逃した。クソ野郎め
「当選したら髪染めて服も調達して。プレゼントかって、とにかく働こう」
沈んでいた心は一気に舞い上がり、
今日はお祝いだ、と軽くなった足取りでコンビニへと向かう
陽気なリズムと共に来店をしカゴを手に取って好物の甘いものやらラーメンやらを見定めた
そしてそろそろレジへ向かおうかな、と振り向いた。
と同時に後ろに人が通ったようでそのままぶつかりがらがらがっしゃん
カゴに入れていたケーキは無様に床へとお亡くなりになられた
「す、すみません……あぁケーキ…どうしよ」
「俺の方こそ見ていなくてすみませんでした。ケーキ弁償します」
お店の人になんて言おうこれ弁償かなと頭の中でぐるぐる考えていたらぶつかってしまったお兄さんが声を掛けてくれる
私が悪いので、と再度謝罪をしようと顔をあげればどこかで見た事のある姿
それと同時に喉が締まる感覚と驚きのあまり痛いほど目を開きおもわず「ぁ、」と声が零れた
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作者名:@ は に | 作成日時:2020年7月17日 14時