【歌い手】期待して損した。

＊ ページ20

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そしていつしかその連絡に恐怖を覚えるようになり脳内にはトラウマとして記憶され、開放されたい思いで渋々許可を出したのだという。

なんて自分勝手なんだ、と思った。



『っ、名前って覚えてますか。そのお偉いさんの名前』



そら「えっと、メールが全部残ってるからそれ見てもらっていい？なんか思い出せないんだよね」



記憶がトラウマと結びついて混乱を起こしてるんだ。そのお偉いさんは彼をここまで追い詰めて何がしたかったのだろうか。

……もしかして、一時的に活動休止してた時の原因もこの出来事が関係してるんじゃ……

そらるさんから受け取ったPC画面を見ながら仕事用メールアドレスの受け取り箱を覗くと同じアドレスがズラーッと並んでおり、確かにこれはストーカーレベルで怖いなと思った。

どうやら送り主は"村井さん"と言うらしい。

私も超パに何回か出演させて頂いてたから分かるけどこの人は全体を取り仕切ってた如何にも偉そうでちょっとぽっちゃりで脂っこいあの人だろう。

実は印象に残るくらい苦手な人だった。



『うわぁ、どんだけ執拗いんだよこの人。"シェアハウスの件、承認頂ければ……"って権力使ってる……アホらし……』



そら「ね？精神削られるでしょ？」



『うん、ちょっとこれはないですね……晒したいくらいです……』



そら「俺もそれ思った」

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