Cor Leonis et Mare (ページ49)

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46＿舞咲優陽ページ49

「ドロメダ！？」

シリウスを捕らえたのは、シリウスとレギュラスの従姉でブラック分家の次女、アンドロメダ・ブラックだった。

「アンドロメダ様、ご卒業おめでとうございます。」
「ありがとう。...ところでシリウス。」

アンドロメダは、三姉妹の中では最も女性らしい性格だ。

顔つきは、姉であるベラトリックスと瓜二つだが、その性格は対極で。
ベラトリックスは、一言で表すなら「自由奔放」。現在は熱狂的な死喰い人だ。
対してアンドロメダは、どちらかと言えば誰かを前に立たせるタイプだ。

ただ、女性の纏う雰囲気は、時にとても恐ろしいもの。

「っひ...」

アンドロメダの目が笑っていないのを見、シリウスは情けない声を漏らした。

「いい、シリウス。家族との時間はとても大切なものよ。少なくとも今は、あなたは家族に養われている状態で、1人では何もできない。そんなあなたが1人前に反抗するなんて、早いのよ甘いのよ生意気なのよ。」

「すっすみません...」

「家に反抗するなら、卒業してからにしなさい。分かった？」

「はい...」

身を翻して去っていくアンドロメダと、撃沈するシリウス、感心するA。

そして、「家に反抗するなら卒業してから」という言葉が盛大なフラグだということは、マーリンのみぞ知っていた。

☆★☆

「お父様、お母様！ただいま帰りました！」

キングスクロス駅のプラットホームで、数か月ぶりに家族は対面する。

「お帰り、エルフィー、A。」

アルバートとソフィアは、少し成長した我が子を見つめ、他人には気づかれないほど微かに頬を緩めた。

だが2人の子供には、しっかりと分かっていて。

「帰りましょう、アル。」
「そうだなソフィー。さあ2人とも、私の手に掴まって。」
「「はい。」」

そして、姿くらまし特有の音は、人の多いプラットホームに溶けていった。

First Grader fin.