Cor Leonis et Mare (ページ42)

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39＿水の光ページ42

「さて、もうそろそろ戻りましょうか。父上達が僕達を探しているでしょうし」

！
そうだわ、私のせいでレギュまでここにいるのだもの。
私はともかく、レギュは皆様を招待した立場、途中でパーティーを抜け出しては、ブラック家の名に傷がついてしまうかもしれない......！

「A、そんなに硬くならなくても大丈夫ですよ。父上に席を立つことは伝えてあります。ただ、戻るまで思ったより時間がかかったので、急いだほうがいいと思いますが」

「えぇ、そうね。急ぎましょう」

☆★☆

「A、レギュラス、今までどこにいたんだ？すぐ戻ってくるかと思ったが、時間がかかっていたっようだな？」

「ダンスも踊っていなかったし、オリオンが心配ないと言っていたけど、やはり心配だったのよ？」

会場に戻ったとたん、お父様とお母様が近寄ってきた。
パーティーの会場は広く、部屋の隅と隅に立ってしまえば見えなくなっても仕方がない。
でも、ダンスは全員が躍るというわけではないし、流石にいないことが分かってしまっただろう。

「申し訳ございません。これには事情がありまして......その......」

私がはっきり言えないでいると、レギュラスが口をはさんだ。

「Aが少し人酔いしてしまったというので僕の部屋で休んでいたんです。戻るのが遅くなってしまい、申し訳ありません」

「あぁ、そうだったのか。もうパーティーも終わるころだし、私たちは先に失礼するとしよう」

流石というか、なんというか......。
お父様もお母様もすっかり騙されているわ。
一応私も挨拶回りは終えているし、おとなしく家に戻った方がよさそうね。

☆★☆

―Aの知らない会話―

「なぁ、レギュラス。人酔いってホントか？」
「いいえ？どこかの下級貴族がAに手出ししていたものですから。ひとまず僕の部屋に逃げた、というところでしょうか」
「よくやった、レギュラス！」