Cor Leonis et Mare (ページ28)

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25＿舞咲優陽ページ28

｢｢｢｢｢上がれ！｣｣｣｣｣

今日から始まる飛行術の授業。

危険な授業なのにも関わらず、どうして犬猿の仲のスリザリンとグリフィンドールを合同にするのかしら。

私は1回で箒が手に収まった。

顔を上げると、手に収まっていたのは私、駄眼鏡、シリウスだけだった。

｢上がれ、上がれ！...上がったわ、A！｣

エバンズは3回ほどで上がってきて、スネイプは...

｢ぐっ...｣

思いっきり上がってきた箒で突き指をしていたわ...

｢はっはは！スニベルスを見てみろよ。｣

下品だわ。
そんな蔑称を思いつくあなた達の品位が疑われる。
ポッターはどうでもいいけど、シリウスはブラック家の品位が下がるからやめてほしいものね。
来年レギュが入学して、変な目で見られないか心配だわ。

｢さあ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってください。箒はぐらつかないように押さえ、2mくらい浮上して、それから少し前屈みになってすぐに降りてきてください。笛を吹いたらですよ...1...2の...｢うわぁぁぁあああ！｣

誰よ。笛を吹いていないのに飛んだのは。
まさか誇り高きスリザリンじゃないでしょうね？

｢こら！Mr.ペティグリュー！戻ってきなさい！｣

グリフィンドールの男子生徒が空に飛んでいった。

｢ピーター！｣

鳶色の髪のグリフィンドールの生徒が悲痛な顔で叫ぶ。

叫ぶなら、助けにいけばいいのに。
勇猛果敢なグリフィンドールが聞いて呆れるわ。

まぁ、駄眼鏡やシリウスがしていることは正義でも勇敢でも何でもないんだけれど。

ﾋｭｰ

ペティグリューは箒から落下し始めた。

...仕方ない。

死なれては寝覚めが悪いわ。

｢...アレスト・モメンタム。｣

みんながペティグリューを見る中、こっそりとローブから杖を出し、唇を動かさずに小声で唱えた。

ペティグリューは上空で動きが止まり、そしてゆっくりと降りていった。

｢あらあら、ペティグリュー。手首を捻っているわ。｣

フーチ先生はペティグリューに駆け寄り、体を調べる。

｢この子を医務室に連れていきますから、その間、誰も動いてはいけません。箒もそのままにして置いておくように。さもないと、クィディッチの''ク''を言う前にホグワーツから出ていって貰いますよ。さあペティグリュー、行きましょう。｣

それで、あの人達が大人しくしていられると思っているのかしら。

本気で思っているのなら、頭が足りていないわ。