Cor Leonis et Mare (ページ16)

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13＿舞咲優陽ページ16

「やぁ、入学おめでとう。A・ラピスラズリ嬢。」

「ご無沙汰しております、Mr.ルシウス・マルフォイ。」

食事が始まり、話しかけてきたのはマルフォイ家嫡男・ルシウス。
Aの5つ年上の監督生で、彼の婚約者はレギュラスの従姉でブラック分家の三女・ナルシッサだ。

「かしこまらなくていいのよAちゃん。」
「ナルシッサ様...」

優しい笑顔でナルシッサはAの頭を撫でた。

「Mr.エイブリー、サラダを取ってくださる？」

向かい合わせで座っているエイブリーに尋ねると、エイブリーは頬を染めて差し出す。

「ありがとう。」

全体的に味が濃い。顔を少しゆがめたAはサラダを食べることにしたのだ。

「あ、そうだわ、オリオン伯父様とヴァルブルガ伯母様のことをお父様とお母様と呼び始めたと聞いたわ。私のこともお姉様と呼んでくださる？ちょうど妹が欲しかったのよ。」
「では私はお兄様と。」

優しいルシウスとナルシッサに、Aは微笑んだ。

「はい、お兄様、お姉様。」

それ以降、金髪のスリザリンの女子生徒2人が仲睦まじげに歩いているのが目撃され、本当に姉妹のように見えたというのは余談である。

☆★☆

ネームプレートのかかったところに入ると、そこは深緑と銀で統一された落ち着いた部屋だった。

「はぁ。」

ため息をつく。

備え付けのシャワールームで体を清めた後、テーブルの前に座る。

お手紙を書かなくちゃ。

[拝啓お父様、お母様
無事、汽車の旅を終え、入学いたしました。
寮はもちろんスリザリンです。
レギュの従姉であるナルシッサ様と、婚約者のルシウス・マルフォイ様と仲良くなりました。
それで、シリウスがグリフィンドールに入ってしまったのです。
我が君に逆らうつもりでしょうか...
どうやら同じグリフィンドールのジェームズ・ポッターと仲良くなっているようです。
正しい道に戻すべく努力いたします。
with your wishes A]

「オリエンタル、」
「ホー」

「お屋敷に届けてくださる？」
「ホー」

オリエンタルは開かれた窓から飛んで行った。

疲れたわ...

「...おやすみなさい。」

つぶやかれた言葉は夜闇に溶けていった。