39色目 孤軍奮闘性濃藍症候群 5 ページ42
あの後、想良は響輝から一部始終を聞いた。
いきなりあの２人が現れ、魔法で建物を壊して回ったこと。
美花を見つけるとすぐ気絶させ連れていこうとしたこと。
穹は魔法で抵抗したが、その能力を見初められ連れていかれたこと。
響輝は酷く悔しがっていた。
だから、想良は“色変”で校舎の残骸を校舎へ“変え”ながら提案してしまったのだ。
｢お前、強くなって穹と美花を助けにいかないか？｣
強く頷いた響輝。校舎と人の修復が終わった後から彼の稽古に付き合った。
逸那はその間、蒼李や紫苑に関する情報を集めていた。結果的に居場所が解ったのは３月。
響輝と想良と逸那だけで蒼李の研究所に真っ向から向かった。
蒼李の研究所はクロノスのはずれの森のなか。それ以外にもあるらしいが、そんなの関係なかった。
……ただ、美花と穹を返して欲しい。今まで何をしていたのか教えて欲しい。
だが、その願いは叶えらなかった。
蒼李の研究所に入ると、大広間に行き着いて、そこで紫苑と照薙に３人は捕らえられた。
そして、想良は拘束されながら蒼李との再会を果たした。
｢久しぶりだな｣
身動き取れない想良に、蒼李は、クレアシオンを発動させると言った。
｢世界を救うため｣｢色が溢れすぎた｣そう言い、蒼李は目の前で穹を殺した。
｢クレアシオンを発動させるため｣そう言い、蒼李は美花を殺した。
｢魔焼粒子はこうなる｣そう言い、蒼李は穹に謎の粒子を散らすと穹は粒子の落ちたところから色を失い、息絶えた。
泣き叫ぶ響輝。彼は穹の元へたどり着くと自身の体に粒子を取り込み、自ら死に行った。
そして、想良も蒼李に殺された。｢クレアシオンを発動させるため｣に。
結果は失敗。蒼李一人の体に２つ以上の魂が入る事は出来ないから。
蒼李の体は爆発四散して、投げ出された想良の魂は咄嗟の"繋樹"で体に繋げ、想良は元の体に戻ることが出来た。だが、穹も響輝も美花も死んでいた。
蒼李も死んだ。魂はあるのに魂が抜けたような想良に、逸那は｢何も出来なかった｣と呟いた後、こんなことを言った。
｢もう一度、繰り返せたら。同じ過ちはおかさないのに｣
｢逸那......それだ!!｣
それから２人で色々"ループ"をするための諸々を作成した。
穹と響輝を会わせないように、美花を人に会わせないように、頼れる仲間を増やし、それで......
気づけばループを30回ほど繰り返してきた。
だがまだ解決法も無いまま.............
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ファンタジー」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
