35色目 青天の霹靂 ４ ページ22
｢まず知って欲しいのは、このソラリア学園と、この島“クロノス”についてだ｣
逸那さんが此方に向かい、｢知ってるか？｣と声を掛けてきた。
クロノスについては実はあまり知らない。
私は首を振った。
｢まずクロノス。この島は昔、別の呼び名で呼ばれ、空に浮かんでいた。
何故落ちたかはあとで話そう。その空に浮かんでいた時の名は
……“空中魔法都市マグナ”｣
｢マグナって……世界を作ったっていう？ 前に駆乃に本を見せて貰ったけど……｣
｢正解だ｣想良は頬を緩めた。
｢マグナは魔法と魂の摂理等を生み出した“最初の魔法使い”であり“願いを叶える能力”の持ち主だ。
彼女が“知りたい”と願えば目は黄になり、
彼女が“変えたい”と願えば目は赤になり、
彼女が“繋げたい”と願えば目は青になり、
彼女が“無くしたい”と願えば目は緑になり、
彼女が“在らせたい”と願えば目は紫になったという。
……これが後のカラフルだ。マグナはその力で島と、水等と何千何万もの魂を作った。そしてその島を浮かせ、魔法王国を作った……｣
長台詞を言い切り、一旦ため息を置いたソーラ。
逸那さんはそのペースを崩さぬように話を続けた。
｢その王国は何万年も続いた。だがマグナは自分のいない世界が知りたくなり、最後に自らの命を睹してカラフルを作ったと伝えられている。
俺たちはカラフル“３世代”。空中都市マグナ内で当時盛んだった、名家同士の争乱に巻き込まれ、育ってきた。
……そして、大それた魔法と呪いを生み出し、空中都市であったマグナを落とした｣
｢大それた……｣
逸那は頷いた。
“魔法”と“呪い”。その表現の仕方で“良いもの”と“悪いもの”両方が生まれた事を皆、察した。
｢まず“魔法”の方だ。美花の前の黄色のカラフルが生み出した、“魂を保管出来る人形”。それはカラフルが無くなる可能性を減らすことに役立つと“言われた”｣
言いつつ彼女はいそいそとなにかを確認しだす。
１人、頷くと自身の着ている白いドレスワンピの右の袖を勢いよく捲り上げた。
露になるまっさらな二の腕。だが彼女が腕を上げ、裏を見せると所々で小さな悲鳴が上がった。
｢これが“呪い”の方……赤と黄と青のカラフルの魂を少しずつ入れ替え、赤と青の寿命を永久のものとする呪い……｣
二の腕の裏にある、“鳥の形をした青い傷”を想良は悲しげに見つめ、語りだす。
ソラリア学園と、自身の過去を
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