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35色目 青天の霹靂 3 ページ21

それに区切りが見えず、入るに入れなかったが、紫苑さんは軽く入り込んだ。

「話すんじゃないの?“蒼李”さんとこの島とループの話」

「話? って何? ソーラ」

「あのな、紫苑たちには合流する前に軽く話したのだが、
…………私と逸那は幾度もパラレルワールドを使いループを繰り返してきた。
初めは美花と穹と響輝を救うため。だが3人を助ける為に、もっと力ある仲間が必要だった。それで……」

「俺らに特殊入学通知を送った。と」

真白くんはその言葉に「美花を守るために」と後から付け足す。

だがソーラは付け足したにだけ頭を振る。

「違う。私は元々“辛い過去”を持つ人をソラリア学園へ入学させる権利があったからな。
……穹と響輝と美花以外は全て、最初の世界では普通の学校に魔法を隠して通っていた。
確かに君らのように強い人は響輝たちと会うように仕向けはしたが、美花たちの為だけじゃない。
“君たちに仲間を与えて、能力の暴走が止められるようにするため”に入学させた」

そこまで考えて……とてつもない心労だったろうに、彼女は疲れた様子を微塵も見せてくれなかった。

淡々と語るソーラはふと、こちらへ顔を向けてくる。

「私と逸那は50年近く美花を守ってきた。
それは美花が“黄色のカラフル”だから、そして美花は私たちの“願いの愛し子”だから」

「ちょっと待って!! え? 50年ちかく? 美花は16よ? 何をそんな……」

馬鹿にするような言い方で穹さんは言うが、おそらく、内心は焦っていたんだと思う。

“とんでもない秘密”を抱えていた事に気づかざるを得ないから。

彼女と似た意見が多数だ。私もそうだし。

「私と逸那は幾度もループしながら、この事を君らに話すか否かと考えて、話さなかった。
……でも、前回のループで言われたんだ。“絶対知らすべき”とな


だから、君らに話そうと思う。私たちの昔話。蒼李の話。そして、大それた魔法と美花の話を」

真っ直ぐ向けられる瞳。皆それを反らせずに、1人、また1人と頷き返答した。

「そういえば宇流はいないのか」

「あ、遅れて来るんだと思う」

「ありがとう、美花」

ソーラとそんな会話をしながらも、私の頭はぐるぐるこんがらがっていた。

私が、ずっと守られてきた?

“願いの愛し子”って?

ずっと気になっていた、“色視”を使うときに見える男女のことを、ソーラは知ってるだろうか?

リクも手提げから顔を出して聞いていた。

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設定タグ:ソラリア学園 , オリジナル , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:宇流 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年4月1日 13時

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