7話 ページ9
そういえば…
『腹減った』
ps「ああ、丁度、お昼時だね。食堂に来れる？」
『動かせそうにない』
ps「だよね。食欲ある？」
『あるっちゃある』
ps「軽い食べ物でいい？お腹辺りに傷あるし」
『何か食うもんがあればそれでいい』
ps「それじゃ、一寸取ってくるよ」
『ありがとう』
気を失った前に何を見た？
武装した人たちに連れて行かれたような…
何故、怪我をさせた？
拷問？尋問？
怪我の意味が分からん
あの国で一体何を見た？
あの時の天候は？
覚えてないな
逆に何を覚えてるのか整理しよ
えっと、戦争関連は記憶にないし、依頼の内容は知らないし
魔法関連は分かる
仕事内容は知らんけど、何でも屋をやっていたのは覚えてる
自分の個人情報も分かるけど、出身国は知らない
大分、記憶が抜け落ちてるんやな
ｶﾞﾗ
ん？誰か来た
ht「怪我の具合どう？どれぐらい食べるのか分からないから食べられるだけでいいから」
『ありがとう。神さんは？』
ht「ぺ神は今食べてるよ。あ、俺はひとらんらん。長いからひとらんでいいよ」
『あい。俺は…(ht「あ、自己紹介は別にしなくていいよ」あ、はい』
トントン辺りが話したのかな
神さんも耳に着いてる奴で俺のことを話してたし
『あ、美味しい。これって何て言う料理？』
一度、食べた料理に似てるんだよね
名前、忘れたけど
ht「これは、お粥って言うんだ。俺の出身国の料理なんだ。よく病人が食べてる」
『そうなんだ。初めて聞いた。何処出身？』
ht「東の方の出身」
『極東の？』
ht「そうそう。グルッペンがそこの文化とか気に入ってさ。その国の料理とか少なからずあるよ」
『へー食べてみたいな』
ht「元気になったら教えるよ」
『ありがとう』
料理名とか覚えてないんだ
覚えてないことの方が多いな
若しかして、一つ間違えたら全て記憶がとんでた？
有り得なくないな
奇跡的なのかな
でも何で回避できたんだろ
『ごめん。もうお腹一杯かな』
ht「後、少しじゃん。それじゃ次持ってくるときもう少し量減らすね」
『ごめんね。ありがとう』
ht「いいよ。それじゃ」
……何か、悪いな…
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