第324話 ページ10
店の出口から出て走り去って行ったニンゲンへと叫んでいる若者のニンゲンが見えたものの、Aはそれすらも横目にフードのニンゲンを追い掛ける。
一方で、その現場を見てるしか出来なかった小太りのニンゲンは、UT/Torielを宥めるDREAMを見て、咄嗟に近くにあるミネラルウォーターを手に取り、しゃがみこむ。
DREAM「トリエル、ゆっくりで大丈夫だよ…」
HUMAN「水。水だ、店のもんだが、俺が持つ。飲んでくれ、トリエルさん」
UT/Toriel「え、ええ、ありがとう…ニンゲンさん…」
と、ミネラルウォーターを受け取る。
HUMAN「治安が悪いとは思わなかった…まだ、5年なんだ。引っ越してきて…」
DREAM(…どうして…今、それを話したんだろう…?)
そんな疑問を持つDREAMの心に、それの疑問を上回る程の不安が押し寄せてきていた。
DREAM(……こんな事考えたくない…でも、もしかして……僕、Aの中から出るポジティブで、ネガティブを感じにくくなってる…?)
杞憂の中の杞憂だと、思いたい。
そう祈るDREAMは、咳き込むUT/Torielの背中を擦りながら去ったAを思う。
その頃、Aは5m程の距離が空いているがフードのニンゲンを捉え、追いかけながら考える。
すると、そのフードのニンゲンは、自身のだろうか不明ではあるがバイクに乗り走り出す。
(狙いはトリエルだった。考えるに親善大使であるフリスクと共にある事が理由、だとすれば…)
Aは近くにあるゴミ箱の上へと乗ると、
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作者名:ユーキ | 作成日時:2023年4月26日 16時