【おそ松さん】カラ松の彼女！？【カラ松】 (ページ16)

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９２話ページ16

そういえば、Aから家族の話をあまり聞いたことがないなと今更ながら思った。優しい彼女のことだ。俺が心配するからと聞かせたくなかったのだろう。

なんで気づかなかったのだろうか。彼女のことを何でも知っていると思っていたのに。

「Aは初めて出来た兄弟のような存在が嬉しかったんだろう？だから、あいつに家族じゃないなんて言われて、深く傷ついたんだろう？」

『…………ん…』

「なあ、言ってくれ。本当は大丈夫じゃないって」

そっとお願いすれば、彼女はぎゅうっと拳を握って首を横に振った。…俺はもう一度頼む。俺にだけは、全てをさらけだしてほしい。そう握りしめられた白い手をほどきながら囁けば、少しだけ力が抜けたようだった。

「大丈夫だなんて、言わないでくれ」

『………だい、じょ…大丈夫じゃ、ないよぉ……！』

泣き出してしまったAを先程よりも強く抱き締め、頭を撫でながら彼女の言葉を逃さないように耳を澄ましていた。肩が濡れるのを感じる。

『本当は一人でご飯食べるのも、一人で家事するのも、一人でいるのも嫌だったよ…！でも、仕事だから…仕方ないから……っそんなワガママ、言っちゃ、ダメだってずっと……』

「……」

涙声でそう本音を話す彼女に、俺は息を飲み、うっかり口が滑ってしまったのだ。

「なあ、A。俺と……」

涙で濡れた瞳を向けられて、俺はどきりとした。この胸の中に溢れる想いを、伝えておきたかったのかもしれない。

「結婚してくれ」

『…………へぁっ？』

彼女を離し、顔を見れば驚き故か涙は無く、呆然としつつも耳を赤くさせている彼女の表情が窺えた。

『だだだ、ダメだよ！？なんでそんなに急に！？』

「いや、ちょっと前から考えていたことだ。………やっぱり嫌か？」

『違う、そういうことじゃなくって！…その、カラ松くんのこと、大好きだよ。それでも……それでも今は、それを受け入れることが出来ないの』

「…………それは、俺達六つ子の今の状況が原因か？」

『……………』

はは、優しいな、ハニーは。
俺は無言で目を泳がせる彼女の頭を一つ撫で、やっぱり今のは忘れてくれと笑った。

それからおそ松がセンバツの朗報を持ってきたのは、その日からすぐのことだった。

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急☆展☆開