【おそ松さん】カラ松の彼女！？【カラ松】 (ページ14)

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９０話ページ14

俺は白木悠。まあ、覚えてないやつとか分からないやつもいるかもしれねーけど、Aの従兄弟だ。この度、あいつにひどいことを言ったらしいやつを一目見にこの町にやってきたわけだ。

……以前来た松野家の前に立って見上げる。屋根には、赤色のパーカーが見えた。

「よう、お前がおそ松か？」

「…………」

おそ松とかいうその男は答えない。別に答えなくてもかまわねーが、耳の穴かっぽじってよく聞いておけよ、と吐き捨てた。

「俺はAの従兄弟なんだが、お前あいつになんか言ったらしいな？それも、アイツの地雷踏みまくって」

その名前を出せばぴくり、とその小さく見えるその背中が動いた気がした。ああなんだ、ちょっとは罪悪感があるのか。安心したわ。
……あいつの地雷。ことごとく踏んでいったこいつは、一度謝らせないと気がすまない。

「Aな、悲しいときも辛いときも大丈夫って言う癖があるんだけどよ。…その理由、知ってるか？」

「…………」

「ま、知るわけないよな「家族でもねえ」んだから。本当は自分自身の口から言うべきだと思うけど、絶対いわねぇだろうから特別に教えてやる」

＊

一方その頃。

「A、教えてくれ」

『な、何、を？』

ソファに押し倒されたAは目を瞬きさせながらカラ松をみる。その顔は少しだけ険しくて、その手にはスマホが握られていた。

「………何か俺に…皆に、隠してることがあるんだろう？」

『何も隠してなんか…』

「なあ、俺はそんなに頼りないか？」

『そ、そんなことないよ』

「……なら、教えてくれ。何故Aは大丈夫じゃないのに大丈夫なんて嘘を言うんだ？」

『……え、っと…』

Aは目を泳がせ冷や汗をかきながら、少しだけ心臓の速さが高まるのを感じた。もう、言い逃れは出来ないと察しながら。

*

「…………！」

……………。

全てを話し終われば、その背中は少しだけ動揺した。まあ、今のお前には気持ちが分かるかもな。

＿＿
ちょっとした過去編(裏設定としてふわっと考えてたやつ)