迷い ページ8
fineの練習が終わったので帰ろうかと思ったのだが。
目の前に広がる光景により、私の歩みは自然と止まってしまった。
校門前。
レオとあんずちゃん。
はにかむあんずちゃんの赤い顔。
同じく赤い顔のレオ。
そしてなにより。
私でも近付いたことのないほどの距離にいるふたり。
今からキスをしようとする場面だ。
またあの時のようなしょっぱい水が頬を濡らす。
それをふたりに見られまいと。
…レオと関わらまいと。
私はそのふたりの脇を抜け、ただひたすらに走った。
一瞬ふたりがこちらを見た気がしたがきっと気のせい。
レオとあんずちゃんが仲良くしてるのを私は一時でも見ていたくないんだ。
『…もう、嫌だよ…っ』
仲直りなんて無理だ。
それどころか、きっと今までのようにレオと接することなんて無理なんだ。
それならいっそ、もう会わなければいい。
レオのいない世界で過ごすくらいなら。
レオがいてもその隣には別の子がいる世界で過ごすなら。
1枚の紙切れに「退学届け」と書いた。
『…学校、やめようかな』
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夕波千鳥(プロフ) - 本当に、お待たせしてすみませんでした。ようやく続き作れました(いつの間にか完結してました...)応援ありがとうございます!! (2017年8月24日 1時) (レス) id: a4b1727e74 (このIDを非表示/違反報告)
マーヤ - 面白いですね、続き待ってす!! (2017年7月2日 1時) (レス) id: 4e6463cd9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕波千鳥 | 作成日時:2017年6月21日 2時